ミャンマー旅行情報メモ2:インフラ不足はいつ解消される? ― 2019年05月03日 03:21
今回、僕はヤンゴンにしか行きませんでした。多民族国家だけに地方にも特色ある文化があり、いつかはいろいろ巡ってみたいと思っているものの、現状ではそのために必要なインフラストラクチャーの整備が遅れていて、ちょっと面倒臭いんですよね。そこまで勤勉な旅人ではないので(笑)。
ミャンマー国内の都市間移動の手段として、長距離バスと飛行機が一般的ですが、高速道路網などないこの国ではバスは時間がかかりすぎるし、航空路もけっこう上級者向け。聞いた話では、「予約していたのに席がなかった」「急に休航になって乗れなかった」といったトラブルが多発しており、限られた日程で決められたルートを移動したい人にとっては難関です。対応策としては「とにかくしつこくリコンファームする」「早め早めに空港に行き、席を確保する」といった手しかないみたい。それだけで多くの手間と時間が必要になり、効率を考えたら「ヤンゴン一択」はありなのです。旅の価値を効率で考えるのもどうかと思いますが(笑)。
そういう意味では、今後、期待したいのは鉄道の整備です。イギリス統治時代に建設された路線が、ほぼ全国を網羅しているので、ちゃんと走らせてくれたら便利でしょう。ただし、現状はかなり厳しいですね。写真はヤンゴン中央駅の敷地内にある停車場ですが、まるで荒れ地(笑)。こんな状況で保線もままならないため、ミャンマーの鉄道は「とにかく揺れて、遅い」と言われ続けてきました。しかし、2018年3月に日本のJICAがミャンマー政府とのあいだで総額1000億円以上の円借款貸付契約を結び、鉄道整備事業を進めることが発表されました。ヤンゴン中央駅のクラシカルな駅舎にJICAのオフィスも開設されており、その成果を見守っていきたいですね。
今回、僕が泊まったパノラマホテルは実はヤンゴン中央駅にいちばん近く、目の前の歩道橋を上がると、そのままプラットホームにアプローチできるほど(駅舎を通過しないで直結している)。なので、ミャンマー鉄道の旅がしやすくなったら、また泊まってみたいです。
ミャンマー国内の都市間移動の手段として、長距離バスと飛行機が一般的ですが、高速道路網などないこの国ではバスは時間がかかりすぎるし、航空路もけっこう上級者向け。聞いた話では、「予約していたのに席がなかった」「急に休航になって乗れなかった」といったトラブルが多発しており、限られた日程で決められたルートを移動したい人にとっては難関です。対応策としては「とにかくしつこくリコンファームする」「早め早めに空港に行き、席を確保する」といった手しかないみたい。それだけで多くの手間と時間が必要になり、効率を考えたら「ヤンゴン一択」はありなのです。旅の価値を効率で考えるのもどうかと思いますが(笑)。
そういう意味では、今後、期待したいのは鉄道の整備です。イギリス統治時代に建設された路線が、ほぼ全国を網羅しているので、ちゃんと走らせてくれたら便利でしょう。ただし、現状はかなり厳しいですね。写真はヤンゴン中央駅の敷地内にある停車場ですが、まるで荒れ地(笑)。こんな状況で保線もままならないため、ミャンマーの鉄道は「とにかく揺れて、遅い」と言われ続けてきました。しかし、2018年3月に日本のJICAがミャンマー政府とのあいだで総額1000億円以上の円借款貸付契約を結び、鉄道整備事業を進めることが発表されました。ヤンゴン中央駅のクラシカルな駅舎にJICAのオフィスも開設されており、その成果を見守っていきたいですね。
今回、僕が泊まったパノラマホテルは実はヤンゴン中央駅にいちばん近く、目の前の歩道橋を上がると、そのままプラットホームにアプローチできるほど(駅舎を通過しないで直結している)。なので、ミャンマー鉄道の旅がしやすくなったら、また泊まってみたいです。
ミャンマー旅行情報メモ1:ビザ免除で何が変わったのか? ― 2019年03月23日 03:21
ミャンマーが魅力的な旅行先であることは早くから伝えられていました。ところが、長く続いた軍事政権が外国人観光客の受け入れに積極的とはいえなかったため、旅をするにはいろんな障壁があったのです。
まず、ビザ取得に5000円くらいかかりました。航空運賃も安いとはいえなかったので、タイやマレーシアに比べると出費が嵩んだのです。さらに、5年ほど前までは入国の条件として300ドル分の強制両替が義務づけられており、1日の食費が10ドル以下で済むこの国でこれだけの大金を使い切るのは大変でした。
そんな「敷居の高い」ミャンマーが2018年10月から日本人向けのツーリストビザを免除することになったのですから、話題になるのは当然です。しかも、正式な決定ではなく、「試行期間は1年間」とアナウンスされていたのですから、その後、どうなるかわからない。実際には今回の措置によって多くの観光収入が得られたようで、2年目以降も継続されるとみられていますが、それでも確証がない以上、このチャンスを逃すわけにはいきません。
そんなわけで、2019年1月4日、僕はヤンゴン国際空港のイミグレーションカウンターの前に並んでいました。「ビザ免除の情報がちゃんと伝わっていなくて揉めるのではないか?」とか「なんやかやと理由をつけて非公式なお金を請求されるのではないか?」といった疑いがなかったわけではないものの、すべて杞憂に終わり、係員はパスポートを簡単にチェックしただけで、あっさり入国を認めてくれたのです。
しかも、ビザなしの国でも記入を求められることが多い入出国カードもなかったので、「滞在中の宿泊先」といった、管理上、重要な情報さえ提出する必要がありません。日本人にとって馴染みの深い渡航先であるタイでは、記入したカードはもちろん、帰りの航空券などもチェックされることがあるので、入国審査はけっこう厳しいものがあります。イミグレ前に長い行列ができることも多く、だからこそ、ミャンマーの「あっさり感」はかなり新鮮でした。
「ずいぶんチェックがぬるいなー」と思いつつ、その日は先にミャンマーに来ていた友人夫婦とおいしいカレー屋で食事をし、夜、ホテルに戻ってから改めてパスポートを確認したところ、意外なことに気づきます。というのも、入国スタンプのところにヤンゴンまでの飛行機の便名がしっかり書き加えられていたからです(写真参照)。入国審査のときには航空券(eチケットの控え)も搭乗券も見せていないので、事前に搭乗者リストが航空会社から届けられ、それを照らし合わせたうえで許可が下りたことになります。出国スタンプにヤンゴンからバンコクに行く便名が記入してあるのも同様で、係員は搭乗券を細かくチェックする様子もなく便名を記入していたから、チェック用のモニターにその情報が表示されていたのでしょう。
つまり、ミャンマーのイミグレーションでは外国からの旅行者を主に「予約の入っている入国と出国の航空券」で管理していることがわかります。これはけっこう賢い方法で、対象者がどんな目的で来たか、一発で判定でき、自己申告に頼るより安全です。
たとえば、入出国のルートが一般的な旅行者と大きく異なれば、要チェックの対象になります。日本人なのに第三国から来て別の第三国に抜けるようなケースがそれにあたり、どう考えてもシンプルな観光目的ではないのですから、それがわかった時点で問い詰め、本当に怪しい人物かどうか判断すればいいのです。
その他、ビザなしの滞在期間は最長1カ月までは認められているものの、通常、そんなに長く観光することはありませんから、ぎりぎりの日程を組んでいるいる人は別の理由があります。あるいは、行きと帰りの航空会社にまったく関連がない場合も怪しいですね(ダミーの航空券かもしれない)。
もちろん、どんなルートやスケジュールであれ、悪いことをしていなければ堂々としていていいのですが、「入出国便の情報」に突っ込みどころがあるような人はイミグレで厳しく追及される可能性ああるので、事前にしっかり準備をしていってください。
最後に、市内への行き方について。ネットでも多くの人が書いているようにシャトルバスが超お勧めです。ターミナルビルを出たら左に歩き、右側の駐車場をチェックしていきます。すると赤い縁取りのバスがみつかるので(大きなルート図が貼ってあるので、すぐわかる)、迷わず乗ってください。料金は500チャット(約35円)と激安。Grab taxiの20分の1くらいなので、利用しない手はありません。ただし、高額紙幣だとお釣りをもらえないことがあるので、1000チャット以下の紙幣を用意しておくことです。走り出したらグーグルマップなどで居場所をチェックし(simは空港で簡単に買えます)、自分のホテルの近くで降りてください。僕はスーレー・スクエアで降りてホテルまで10分ほと歩きましたが、ミャンマーは割と治安がいいので、大きな荷物を引きずりながら移動していても、まったく不安は感じませんでした。
※参考URL
https://tabihack.jp/rgn-town/
https://guchiwo-globe.com/ybs-airport/
https://tabi-engine.com/yangon_airport_bus
https://pakutabi.com/myanmer-airport-bus-yangon/
まず、ビザ取得に5000円くらいかかりました。航空運賃も安いとはいえなかったので、タイやマレーシアに比べると出費が嵩んだのです。さらに、5年ほど前までは入国の条件として300ドル分の強制両替が義務づけられており、1日の食費が10ドル以下で済むこの国でこれだけの大金を使い切るのは大変でした。
そんな「敷居の高い」ミャンマーが2018年10月から日本人向けのツーリストビザを免除することになったのですから、話題になるのは当然です。しかも、正式な決定ではなく、「試行期間は1年間」とアナウンスされていたのですから、その後、どうなるかわからない。実際には今回の措置によって多くの観光収入が得られたようで、2年目以降も継続されるとみられていますが、それでも確証がない以上、このチャンスを逃すわけにはいきません。
そんなわけで、2019年1月4日、僕はヤンゴン国際空港のイミグレーションカウンターの前に並んでいました。「ビザ免除の情報がちゃんと伝わっていなくて揉めるのではないか?」とか「なんやかやと理由をつけて非公式なお金を請求されるのではないか?」といった疑いがなかったわけではないものの、すべて杞憂に終わり、係員はパスポートを簡単にチェックしただけで、あっさり入国を認めてくれたのです。
しかも、ビザなしの国でも記入を求められることが多い入出国カードもなかったので、「滞在中の宿泊先」といった、管理上、重要な情報さえ提出する必要がありません。日本人にとって馴染みの深い渡航先であるタイでは、記入したカードはもちろん、帰りの航空券などもチェックされることがあるので、入国審査はけっこう厳しいものがあります。イミグレ前に長い行列ができることも多く、だからこそ、ミャンマーの「あっさり感」はかなり新鮮でした。
「ずいぶんチェックがぬるいなー」と思いつつ、その日は先にミャンマーに来ていた友人夫婦とおいしいカレー屋で食事をし、夜、ホテルに戻ってから改めてパスポートを確認したところ、意外なことに気づきます。というのも、入国スタンプのところにヤンゴンまでの飛行機の便名がしっかり書き加えられていたからです(写真参照)。入国審査のときには航空券(eチケットの控え)も搭乗券も見せていないので、事前に搭乗者リストが航空会社から届けられ、それを照らし合わせたうえで許可が下りたことになります。出国スタンプにヤンゴンからバンコクに行く便名が記入してあるのも同様で、係員は搭乗券を細かくチェックする様子もなく便名を記入していたから、チェック用のモニターにその情報が表示されていたのでしょう。
つまり、ミャンマーのイミグレーションでは外国からの旅行者を主に「予約の入っている入国と出国の航空券」で管理していることがわかります。これはけっこう賢い方法で、対象者がどんな目的で来たか、一発で判定でき、自己申告に頼るより安全です。
たとえば、入出国のルートが一般的な旅行者と大きく異なれば、要チェックの対象になります。日本人なのに第三国から来て別の第三国に抜けるようなケースがそれにあたり、どう考えてもシンプルな観光目的ではないのですから、それがわかった時点で問い詰め、本当に怪しい人物かどうか判断すればいいのです。
その他、ビザなしの滞在期間は最長1カ月までは認められているものの、通常、そんなに長く観光することはありませんから、ぎりぎりの日程を組んでいるいる人は別の理由があります。あるいは、行きと帰りの航空会社にまったく関連がない場合も怪しいですね(ダミーの航空券かもしれない)。
もちろん、どんなルートやスケジュールであれ、悪いことをしていなければ堂々としていていいのですが、「入出国便の情報」に突っ込みどころがあるような人はイミグレで厳しく追及される可能性ああるので、事前にしっかり準備をしていってください。
最後に、市内への行き方について。ネットでも多くの人が書いているようにシャトルバスが超お勧めです。ターミナルビルを出たら左に歩き、右側の駐車場をチェックしていきます。すると赤い縁取りのバスがみつかるので(大きなルート図が貼ってあるので、すぐわかる)、迷わず乗ってください。料金は500チャット(約35円)と激安。Grab taxiの20分の1くらいなので、利用しない手はありません。ただし、高額紙幣だとお釣りをもらえないことがあるので、1000チャット以下の紙幣を用意しておくことです。走り出したらグーグルマップなどで居場所をチェックし(simは空港で簡単に買えます)、自分のホテルの近くで降りてください。僕はスーレー・スクエアで降りてホテルまで10分ほと歩きましたが、ミャンマーは割と治安がいいので、大きな荷物を引きずりながら移動していても、まったく不安は感じませんでした。
※参考URL
https://tabihack.jp/rgn-town/
https://guchiwo-globe.com/ybs-airport/
https://tabi-engine.com/yangon_airport_bus
https://pakutabi.com/myanmer-airport-bus-yangon/
フランス旅行情報メモ7:フランスのレストランが居酒屋化している件 ― 2019年03月17日 04:30
日本人が「先付、お凌ぎ、お椀、向付、八寸……」といった懐石料理のフルコースを常食しているのではないように、フランス人が、普段、食べている食事もそんなに豪華ではありません。それでも、「コース」という概念は長く残り、大衆レストランの定食(menu)は、だいたい、こんな組み合わせになっていました。
オードブル(パテとかサラダとか)orスープ
メインディッシュ
デザートorチーズ
少なくとも10年くらい前まで、多くの客はこんなスタイルで食事をしていたのです。
ところが、久しぶりにフランスに行き、いろいろなレストランを回ってみると、だいぶ様子が違っていましたね。高級店でなければ(名称はビストロだったりブラッスリーだったりカフェだったりすることが多い)、注文はかなり自由にできるのです。
もちろん、以前でも「オードブルはなしでメインディッシュのみ」という客は少なからずいました(ある意味、粋な注文方法だった)。しかしそれでもデザートかチーズは食べるので、わずかながらでも「コース」の残滓は感じられたのです。しかし、今回、周囲のフランス人の食事風景を見回してみると、まったくそんな感じがしません。それぞれ、食べたいものだけを勝手に頼み、順番を気にしているようには思えませんでした。
特に目立ったのは、デザートを頼まない人が増えていることです。おそらくダイエット志向が強くなり、敬遠され始めているのでしょう。また、チーズを食べている人もみかけなかったですね。もともと、料理だけで足りないから最後にチーズとパンでお腹を膨らませるという「締めのお茶漬け」感覚だったので、カロリーを気にし始めたら自然に注文しなくなります。
さらに、フランス料理に欠かせないはずのワインも、頼んでいる人は夜で半数くらい、昼だと2割以下でしょうか。驚くのは平然とコーラを飲みながら食事をしている人もいたことで、思わず「アメリカ人か!」と突っ込みそうになりました。
このような状況変化を受け、私たちがフランスで食事をする場合、どのように注文すればいいのか? 店に入り席に案内されたら、おもむろにメニュー(フランス語ではcarte)を眺めます。するとそこには、こんな順番で料理名が並んでいるはずです(写真を参照)。
第一グループ
Entree(オードブルとスープ)、Salade(サラダ)
Fruits de mer(海の幸の意味で生牡蠣や魚介盛り合わせなどの冷製料理)
第二グループ
Poisson(魚介料理)、Viande(肉料理)
または上の2つを合わせてplat principal(メインディッシュ)
第三グループ
Dessert(デザート)、Fromage(チーズ)
メニュー上ではあくまで「コース」になっているのですが、そこはあまり気にしないでください。とりあえず第一+第二グループの中から1品だけ選び、注文します(つまり、1人1品ずつ)。なお、フランス語がまったくわからない人は英語や日本語のメニューがある店に行くか、最近は公式サイトでメニューを公開しているケースも多いので(営業中は店の前にも必ず置いてある)、事前に予習をしておくといいでしょう(フランス語のメニューを解読するだけであれば、1時間ほどの学習で充分です)。
ほとんどの場合、1品でお腹が満たされると思いますが、足りなければもう1品追加します。なお、第一グループと第二グループの違いは、前者のほうが、若干、量が少ないだけで(あと、冷製料理が多い)、実はあまり明確な区別はなくなっているように感じますね。なので、メインディッシュのあとに「もう少し食べたいから」とオードブルを頼んでも、怒られることはないはずです(たぶん)。あとは、好みでデザートかチーズを加えてもいいし、そこで食事を終えてもかまいません。
つまり、最初にすべての料理をオーダーするのではなく、お腹の様子をみながら、ひとつずつ注文していくのです。
ワインを合わせるのであれば、グラスやカラフェで提供されるいちばん安いやつで充分。大衆店にはソムリエなどいないのだから、白でも赤でも好きなほうを飲めばいいのです。
料理とワインの組み合わせを細かく気にするのは、フランスでも一部の人だけです。ざっくり「肉には赤、魚には白」といったお約束はあるものの、豚肉であれば白を合わせることは多いし、ポルトガルあたりでは焼魚に赤ワインは常識です。だから、あまり深く考えず、そのとき飲みたいものを飲んでください。
お酒が飲めない人はわざわざ瓶入りの水など頼まず、じっとしていれば大丈夫です。これも最近の傾向なのですが、水道の水をワインの空き瓶などに入れてもってきてくれます(ワインを頼んだ場合でも出てくることが多い)。フランスの水道水はそのまま飲んでまったく問題がないので(というか、普通においしい)、安心してください。現地の人もそれがあたりまえになってきているようで、ちょっと気の利いた店では冷蔵庫で冷やした水を出してくれます(もちろん、タダ!)。
個人的に驚いたのは、最初にビールで喉を潤してからワインに移っていく人を何度かみかけたことです。ちょっと前のフランスではあまり考えられない注文方法でした。もっとも、これも特に不思議なことではなく、彼らはレストランに入る前にカフェで待ち合わせや時間つぶしをすることがあるのですが、その場合は、たいていビールを飲んでいます。つまり、食前酒として認めているのですから、「とりビー」もありなのです。
ここまでの話をまとめると、フランスでも食事をするときのルールはどんどんなくなり、「好きなものを好きなタイミングで食べ、飲みものも自由」という方向に進みつつあることがわかります。となると、これって日本の居酒屋と同じなのではないでしょうか。一般にフランスの料理店は日本より高く、ワインを2杯ほど飲むと1食30ユーロ(約3800円)以上はするものです。しかし、居酒屋に入ったのだと思えば、実はそんなに不当な価格ではなく、料理の質を考えれば、むしろ安いと感じることさえあります。そんなわけで、フランスの大衆レストランはかなり自由に飲食できますから、雰囲気に呑まれることなく、堂々と楽しんできてください。
オードブル(パテとかサラダとか)orスープ
メインディッシュ
デザートorチーズ
少なくとも10年くらい前まで、多くの客はこんなスタイルで食事をしていたのです。
ところが、久しぶりにフランスに行き、いろいろなレストランを回ってみると、だいぶ様子が違っていましたね。高級店でなければ(名称はビストロだったりブラッスリーだったりカフェだったりすることが多い)、注文はかなり自由にできるのです。
もちろん、以前でも「オードブルはなしでメインディッシュのみ」という客は少なからずいました(ある意味、粋な注文方法だった)。しかしそれでもデザートかチーズは食べるので、わずかながらでも「コース」の残滓は感じられたのです。しかし、今回、周囲のフランス人の食事風景を見回してみると、まったくそんな感じがしません。それぞれ、食べたいものだけを勝手に頼み、順番を気にしているようには思えませんでした。
特に目立ったのは、デザートを頼まない人が増えていることです。おそらくダイエット志向が強くなり、敬遠され始めているのでしょう。また、チーズを食べている人もみかけなかったですね。もともと、料理だけで足りないから最後にチーズとパンでお腹を膨らませるという「締めのお茶漬け」感覚だったので、カロリーを気にし始めたら自然に注文しなくなります。
さらに、フランス料理に欠かせないはずのワインも、頼んでいる人は夜で半数くらい、昼だと2割以下でしょうか。驚くのは平然とコーラを飲みながら食事をしている人もいたことで、思わず「アメリカ人か!」と突っ込みそうになりました。
このような状況変化を受け、私たちがフランスで食事をする場合、どのように注文すればいいのか? 店に入り席に案内されたら、おもむろにメニュー(フランス語ではcarte)を眺めます。するとそこには、こんな順番で料理名が並んでいるはずです(写真を参照)。
第一グループ
Entree(オードブルとスープ)、Salade(サラダ)
Fruits de mer(海の幸の意味で生牡蠣や魚介盛り合わせなどの冷製料理)
第二グループ
Poisson(魚介料理)、Viande(肉料理)
または上の2つを合わせてplat principal(メインディッシュ)
第三グループ
Dessert(デザート)、Fromage(チーズ)
メニュー上ではあくまで「コース」になっているのですが、そこはあまり気にしないでください。とりあえず第一+第二グループの中から1品だけ選び、注文します(つまり、1人1品ずつ)。なお、フランス語がまったくわからない人は英語や日本語のメニューがある店に行くか、最近は公式サイトでメニューを公開しているケースも多いので(営業中は店の前にも必ず置いてある)、事前に予習をしておくといいでしょう(フランス語のメニューを解読するだけであれば、1時間ほどの学習で充分です)。
ほとんどの場合、1品でお腹が満たされると思いますが、足りなければもう1品追加します。なお、第一グループと第二グループの違いは、前者のほうが、若干、量が少ないだけで(あと、冷製料理が多い)、実はあまり明確な区別はなくなっているように感じますね。なので、メインディッシュのあとに「もう少し食べたいから」とオードブルを頼んでも、怒られることはないはずです(たぶん)。あとは、好みでデザートかチーズを加えてもいいし、そこで食事を終えてもかまいません。
つまり、最初にすべての料理をオーダーするのではなく、お腹の様子をみながら、ひとつずつ注文していくのです。
ワインを合わせるのであれば、グラスやカラフェで提供されるいちばん安いやつで充分。大衆店にはソムリエなどいないのだから、白でも赤でも好きなほうを飲めばいいのです。
料理とワインの組み合わせを細かく気にするのは、フランスでも一部の人だけです。ざっくり「肉には赤、魚には白」といったお約束はあるものの、豚肉であれば白を合わせることは多いし、ポルトガルあたりでは焼魚に赤ワインは常識です。だから、あまり深く考えず、そのとき飲みたいものを飲んでください。
お酒が飲めない人はわざわざ瓶入りの水など頼まず、じっとしていれば大丈夫です。これも最近の傾向なのですが、水道の水をワインの空き瓶などに入れてもってきてくれます(ワインを頼んだ場合でも出てくることが多い)。フランスの水道水はそのまま飲んでまったく問題がないので(というか、普通においしい)、安心してください。現地の人もそれがあたりまえになってきているようで、ちょっと気の利いた店では冷蔵庫で冷やした水を出してくれます(もちろん、タダ!)。
個人的に驚いたのは、最初にビールで喉を潤してからワインに移っていく人を何度かみかけたことです。ちょっと前のフランスではあまり考えられない注文方法でした。もっとも、これも特に不思議なことではなく、彼らはレストランに入る前にカフェで待ち合わせや時間つぶしをすることがあるのですが、その場合は、たいていビールを飲んでいます。つまり、食前酒として認めているのですから、「とりビー」もありなのです。
ここまでの話をまとめると、フランスでも食事をするときのルールはどんどんなくなり、「好きなものを好きなタイミングで食べ、飲みものも自由」という方向に進みつつあることがわかります。となると、これって日本の居酒屋と同じなのではないでしょうか。一般にフランスの料理店は日本より高く、ワインを2杯ほど飲むと1食30ユーロ(約3800円)以上はするものです。しかし、居酒屋に入ったのだと思えば、実はそんなに不当な価格ではなく、料理の質を考えれば、むしろ安いと感じることさえあります。そんなわけで、フランスの大衆レストランはかなり自由に飲食できますから、雰囲気に呑まれることなく、堂々と楽しんできてください。
フランス旅行情報メモ6:フランス人が行列までして行くレストラン ― 2019年02月13日 14:33
フランス人はあまり行列が好きではありません。駅で並ぶのは苦手だし、飲食店の前で、長時間、待つなんてありえない。そういう文化なのです。ところが、モンパルナスのステーキレストラン「Le relais de l'entrecote(ル・ルレ・ドゥ・ラントルコート)」(以下、RE)では、連日、こんな感じ。写真は午後8時ごろの光景で、この後、もっと並びます。
最近のパリの食事情を調べていたところ、この店が大人気だと知ったので、滞在中に足を運んでみました。開店は午後7時で、予約はいっさい受けつけないという強気の姿勢。なので7時10分くらいに行ったところ、すでにかなり混んでいたものの、まだ空席はあり、すぐに案内されました。フランス人の夕食は、通常、8時以降なので、その前であれば意外と大丈夫みたいです。
それでは、ここで何を食べられるのかというと、メニューはひとつしかありません。前菜のクルミ入りサラダとメインのステーキという「定食」だけなのです。デザートは複数用意されているものの、それさえ頼まなければ(最近はデザート抜きのフランス人も多い)、選択肢はステーキの焼き方(レアとかミディアムとかウェルダンとか)のみ。ワインも安いもの中心にそんなに種類はなく、食べものに関して我を通したいフランス人にとっては、あまり好ましくないスタイルといえます。
ところが、そんな頑固な店に、毎日、多くの人が押し寄せます。しかも、全員、料理にうっとりとしている様子。レストランであそこまで楽しそうな顔をする人たちを見たことがなかったので、驚いてしまいました(フランス人はアメリカ人ほど感情を露わにしない)。それにしても、彼らを虜にする理由はどこにあるのでしょうか。
REの料理について、まず言えるのは非常に保守的だということです。ステーキにかけてあるのはベアルネーズソース。バターと卵黄でつくる「あたたかいマヨネーズ」といった感じのソースで、エストラゴンで香りづけし、酢で味を調整します。フランス料理の伝統的なステーキソースであり、際立ったオリジナリティもスペシャリティもありません。
先ほど、フランス人は飲食店の前で行列をつくらないと書きましたが、実はひとつだけ例外があって、「今、話題の日本風の弁当屋」とか「新しいスタイルの餃子バー」といっためずらしい店(つまり、オリジナリティとスペシャリティで成り立っている)であれば、開店直後は並んだりします。しかしこれはあくまでイレギュラーであって、クラシックなメニューのステーキ屋に殺到したりはしないのです。
不思議な気分のまま店内を見回し、さらに届いた料理を口にしてみると、人気の理由が少しずつわかってきました。まずステーキですが、ものすごく柔らかい赤身肉で、フランス人がもともと好む(と言われる)「少し歯ごたえのある肉」とは正反対です。このあたりが斬新で、しかも昨今の健康志向に合っているのだと思います。もちろん、かなり厳選された牛肉のようで、味わいは抜群。メニューをひとつに絞ったことで、大量仕入れができ、安価に提供できるのでしょう。
また、ソースをたっぷりかけてくれるのも今のフランス料理ではめずらしいです。ステーキであれば、塩だけで食べさせる店がたくさんありますから。しかも、ベアルネーズソースをベースにしているものの、そこにスパイスなどがかなり加わっており(店では秘密のソースといっているらしい)、通っているうちにハマってしまうみたい。このため、お客さんたちは「もっとソースをかけて!」とねだるような顔でウェイトレスをみつめ、作業が終わったとたん、むさぼるように食べ始めます。濃い味のソースは肉にも付け合わせのフライドポテトにもよく合い、僕もうっとりしてしまいました。
ここまでの記述でわかるように、この店では料理を調理場で完成させてから運んでくるのではなく、客席でウェイトレス(全員女性で、しかも、かわいい。これも戦略?)が仕上げをしてくれます。大皿から肉とポテトを取って盛り付け、上にソースをかけてくれるのです。しかも、丁寧なことにステーキは冷めないように2回に分けて出される。これって、よほどの高級レストランでなければやってくれないサービスなので、お客さんは特別な待遇を受けたような気持ちになるのかもしれません。
そんなわけで、REは、年々、失われていくフランス料理の伝統を守りながら、質の高い料理とサービスを安価に提供できるシステムを完成させたことで人気店になったのです。ステーキとサラダのセットは26.5ユーロなので、グラスワインを飲んでも4000円ぐらい。パリの食事処としてはかなりリーズナブルなので、気になった人は、ぜひ、訪れてみてください。まちがいなく、おいしいことは保証します。
最近のパリの食事情を調べていたところ、この店が大人気だと知ったので、滞在中に足を運んでみました。開店は午後7時で、予約はいっさい受けつけないという強気の姿勢。なので7時10分くらいに行ったところ、すでにかなり混んでいたものの、まだ空席はあり、すぐに案内されました。フランス人の夕食は、通常、8時以降なので、その前であれば意外と大丈夫みたいです。
それでは、ここで何を食べられるのかというと、メニューはひとつしかありません。前菜のクルミ入りサラダとメインのステーキという「定食」だけなのです。デザートは複数用意されているものの、それさえ頼まなければ(最近はデザート抜きのフランス人も多い)、選択肢はステーキの焼き方(レアとかミディアムとかウェルダンとか)のみ。ワインも安いもの中心にそんなに種類はなく、食べものに関して我を通したいフランス人にとっては、あまり好ましくないスタイルといえます。
ところが、そんな頑固な店に、毎日、多くの人が押し寄せます。しかも、全員、料理にうっとりとしている様子。レストランであそこまで楽しそうな顔をする人たちを見たことがなかったので、驚いてしまいました(フランス人はアメリカ人ほど感情を露わにしない)。それにしても、彼らを虜にする理由はどこにあるのでしょうか。
REの料理について、まず言えるのは非常に保守的だということです。ステーキにかけてあるのはベアルネーズソース。バターと卵黄でつくる「あたたかいマヨネーズ」といった感じのソースで、エストラゴンで香りづけし、酢で味を調整します。フランス料理の伝統的なステーキソースであり、際立ったオリジナリティもスペシャリティもありません。
先ほど、フランス人は飲食店の前で行列をつくらないと書きましたが、実はひとつだけ例外があって、「今、話題の日本風の弁当屋」とか「新しいスタイルの餃子バー」といっためずらしい店(つまり、オリジナリティとスペシャリティで成り立っている)であれば、開店直後は並んだりします。しかしこれはあくまでイレギュラーであって、クラシックなメニューのステーキ屋に殺到したりはしないのです。
不思議な気分のまま店内を見回し、さらに届いた料理を口にしてみると、人気の理由が少しずつわかってきました。まずステーキですが、ものすごく柔らかい赤身肉で、フランス人がもともと好む(と言われる)「少し歯ごたえのある肉」とは正反対です。このあたりが斬新で、しかも昨今の健康志向に合っているのだと思います。もちろん、かなり厳選された牛肉のようで、味わいは抜群。メニューをひとつに絞ったことで、大量仕入れができ、安価に提供できるのでしょう。
また、ソースをたっぷりかけてくれるのも今のフランス料理ではめずらしいです。ステーキであれば、塩だけで食べさせる店がたくさんありますから。しかも、ベアルネーズソースをベースにしているものの、そこにスパイスなどがかなり加わっており(店では秘密のソースといっているらしい)、通っているうちにハマってしまうみたい。このため、お客さんたちは「もっとソースをかけて!」とねだるような顔でウェイトレスをみつめ、作業が終わったとたん、むさぼるように食べ始めます。濃い味のソースは肉にも付け合わせのフライドポテトにもよく合い、僕もうっとりしてしまいました。
ここまでの記述でわかるように、この店では料理を調理場で完成させてから運んでくるのではなく、客席でウェイトレス(全員女性で、しかも、かわいい。これも戦略?)が仕上げをしてくれます。大皿から肉とポテトを取って盛り付け、上にソースをかけてくれるのです。しかも、丁寧なことにステーキは冷めないように2回に分けて出される。これって、よほどの高級レストランでなければやってくれないサービスなので、お客さんは特別な待遇を受けたような気持ちになるのかもしれません。
そんなわけで、REは、年々、失われていくフランス料理の伝統を守りながら、質の高い料理とサービスを安価に提供できるシステムを完成させたことで人気店になったのです。ステーキとサラダのセットは26.5ユーロなので、グラスワインを飲んでも4000円ぐらい。パリの食事処としてはかなりリーズナブルなので、気になった人は、ぜひ、訪れてみてください。まちがいなく、おいしいことは保証します。
フランス旅行情報メモ5:パリのミュージアムに関するあれこれ ― 2019年02月01日 03:07
パリで訪れるところといったら、まずミュージアムでしょう。ルーブル、オルセー、国立近代美術館(ポンピドーセンター)、オランジュリー美術館はマストですよね。それに加えて個性的な現代美術の展示で知られる市立近代美術館(個人的には一番好き)、アジア美術の国立ギメ美術館、アフリカ・アジア・オセアニア・南北アメリカ美術のケ・ブランリ美術館は必ず寄っています。あと、企画展がおもしろいパレ・ド・トーキョーもチェックは欠かせません。
これらを回るとき有効なのがパリ・ミュージアムパスです。上記でいえば市立近代美術館とパレ・ド・トーキョー以外は入場可能で、他にも主要な美術館や博物館をカバーしています。詳しくは公式サイトをご覧ください。価格は2日間48ユーロ、4日間62ユーロ、6日間74ユーロと、けっして安くはないものの、もともと物価の高い地域だけに、普通に使えば必ず元は取れるはずです(しかも、いちいち入場券売り場に並ばないで済む)。
http://www.parismuseumpass-japon.com/
パリ・ミュージアムパスは日本でも事前に買えますし、パリに何カ所かある観光案内所や対象のミュージアムでも購入可能なので自分のスケジュールに合わせばいいのですが、ぎりぎりまで「買おうかどうしようか?」と迷った人には注意が必要です。実は今回の僕がそうでした。理由ははっきりしていて、パリで観光できるのが23日(日)~26日(水)の4日間(正確には3日半)しかなかったからです。これがなかなか微妙な日程で、パリのミュージアムは月曜か火曜が定休日のうえ、クリスマスの25日はほぼ閉館なので、がんじがらめでした。整理するとこうなります。
23 24 25 26
日 月 火 水
ルーブル ○ ○ × ○
オルセー ○ × × ○
オランジェ○ × × ○
ポンピドー○ ○ × ○
ギメ ○ ○ × ○
市立近代 ○ × × ○
ケブランリ○ × × ○
しかも、このときのフランスは反政府デモで荒れており、暴徒化しそうなときにはルーブルなどの観光地は用心して営業をやめていました。したがって、パスを買っても無駄になる可能性があったのです。
検討した結果、デモは土曜日限定だったので避けられる可能性があります。したがって、23、24、26日をうまく活用すればそれなりに回れるかもしれません。また、25日はキリスト教と無縁のアラブ世界研究所であれば開いているという情報があり、まったく無駄にはなりません。ここはアラブ圏の作品を展示する個性的な美術館が併設されており、前衛的な建物も含めて興味深く、以前にも訪れていました。ただし、デモの状況は完全にはわからないこともあり、渡航前に日本でパスを買うのはリスクが高いと判断して現地購入を決めたのです。
ところが、パリに着いた初日は、結局、買えませんでした。北駅の観光案内所で売っているらしいのですが、1ユーロの手数料を取るというので積極的に探す気がしなかったからです(旅に出るととたんにケチになる)。
再びパリに戻ったのは23日の昼過ぎでした。ホテルにチェックインしてから地下鉄でオルセー美術館に向かったところ、さすがに人気スポットだけに大混雑で、外まで大行列です。入場者数ではルーブルに負けるものの、構造的にここが並ぶのは知っていたので(入り口が狭い!)、あきらめるしかありません。さて、どうするか? そこでひらめいたのがオランジュリーに向かうことでした。小さな美術館なのでそんなに混まない可能性があるうえ、オルセーからもルーブルからも徒歩圏内です。
案の定、オランジェリーは落ち着いており、入り口でX線検査はあったものの、5分ほどで中に入れました。入場券売り場もあまり人はいなく、すぐにミュージアムパスが買えたのです。目的を達した僕は、4日間、美術館・博物館三昧。長くなるので、あとは関連する情報を箇条書きでまとめておきます。
・ルーブルはモナリザとかミロのビーナスとか見所満載ですが(一応、見ておいたほうがいい)、もう少し足を伸ばすなら、モナリザの手前の部屋にあるダ・ヴィンチの『聖アンナと聖母子』や(ラファエロもあります)、教科書にもあるダビッドの『ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠』、ドラグロワの『民衆を導く自由の女神』はちゃんと見ておいたほうが、わざわざ行った意味はあります。
・ただし、ルーブルでもっとも価値がある美術品(歴史的な遺品)は、モナリザと反対のウィングにあるハムラビ法典の石柱でしょう。あの、ハムラビ法典ですよ。4800年前の法律の原文がそのまま残っているのですから、絶対、見たほうがいい。しかも、ここに来る客のほとんどが勉強不足なのかあまり混むことなく、ガン見できます。目には目を(笑)。
・その他、ルーブルの穴場としては、モナリザの先の先の先、建物の端っこまで行って迷路のような階段を抜けると、わかりにくいところにアフリカ・アジア・オセアニア・南北アメリカのプリミティブな美術品のコーナーがあります。前述したケ・ブランリと、若干、重なるものの、ルーブルのセンスで集めただけに、好きな人であればかなり感動するはず(ケ・ブランリは民族学博物館なので美術品としてのフィルターはかかっていない)。ちなみに、近くに穴場の入り口があり、ルーブルの通はここから入場するのですが、いつも開いてるとは限らないんですよね。僕が以前、利用したときには、釣り銭がないとかいって大騒ぎ。メインのピラミッド下の入場口と違うあまりに牧歌的な状況にたじらいだほどです。
・あまり特別展のイメージのないオルセーで、たまたま、ピカソの青の時代の展示をしてました。これがすっごい内容で、「いいピカソ」が100点くらいあったと思う。さすがオルセー!
・オルセーの売店でアブサン用のレトロなグラスを売ってました。値段もまあまあ安かったので買っちゃった。帰国後はワインなどを楽しむお気に入りになっています。
・国立近代美術館(ポンピドゥーセンター)は、ルーブル、オルセーから続く美術史の今を展示する場所として位置(義務?)づけられているのに、今回、訪れてみると、やる気が感じられなかったですね。コレクションしているいい作品は飾らず、つまらない最近の美術ばかり優先しており、半分以上は見る価値がありません。この感じであれば、次回は初めてパスするかも。
・がっかりして外に出たあと、あまり寒いのでグーグルマップでみつけた九州ラーメンの店(Hakata Choten Les Halles)に向かいました。こういうとこに抵抗なく入れるのは、僕がおとなになった証拠です(笑)。
・予定した美術館はすべて回れたので、最後の日は追加でパリ工芸博物館に行ったら(他にも装飾美術館にも行きました)、なんと、あのラヴォアジエ(近代化学の父です)の実験道具が展示してあって驚きました。科学史を知る者にとっては超感動ものです。
これらを回るとき有効なのがパリ・ミュージアムパスです。上記でいえば市立近代美術館とパレ・ド・トーキョー以外は入場可能で、他にも主要な美術館や博物館をカバーしています。詳しくは公式サイトをご覧ください。価格は2日間48ユーロ、4日間62ユーロ、6日間74ユーロと、けっして安くはないものの、もともと物価の高い地域だけに、普通に使えば必ず元は取れるはずです(しかも、いちいち入場券売り場に並ばないで済む)。
http://www.parismuseumpass-japon.com/
パリ・ミュージアムパスは日本でも事前に買えますし、パリに何カ所かある観光案内所や対象のミュージアムでも購入可能なので自分のスケジュールに合わせばいいのですが、ぎりぎりまで「買おうかどうしようか?」と迷った人には注意が必要です。実は今回の僕がそうでした。理由ははっきりしていて、パリで観光できるのが23日(日)~26日(水)の4日間(正確には3日半)しかなかったからです。これがなかなか微妙な日程で、パリのミュージアムは月曜か火曜が定休日のうえ、クリスマスの25日はほぼ閉館なので、がんじがらめでした。整理するとこうなります。
23 24 25 26
日 月 火 水
ルーブル ○ ○ × ○
オルセー ○ × × ○
オランジェ○ × × ○
ポンピドー○ ○ × ○
ギメ ○ ○ × ○
市立近代 ○ × × ○
ケブランリ○ × × ○
しかも、このときのフランスは反政府デモで荒れており、暴徒化しそうなときにはルーブルなどの観光地は用心して営業をやめていました。したがって、パスを買っても無駄になる可能性があったのです。
検討した結果、デモは土曜日限定だったので避けられる可能性があります。したがって、23、24、26日をうまく活用すればそれなりに回れるかもしれません。また、25日はキリスト教と無縁のアラブ世界研究所であれば開いているという情報があり、まったく無駄にはなりません。ここはアラブ圏の作品を展示する個性的な美術館が併設されており、前衛的な建物も含めて興味深く、以前にも訪れていました。ただし、デモの状況は完全にはわからないこともあり、渡航前に日本でパスを買うのはリスクが高いと判断して現地購入を決めたのです。
ところが、パリに着いた初日は、結局、買えませんでした。北駅の観光案内所で売っているらしいのですが、1ユーロの手数料を取るというので積極的に探す気がしなかったからです(旅に出るととたんにケチになる)。
再びパリに戻ったのは23日の昼過ぎでした。ホテルにチェックインしてから地下鉄でオルセー美術館に向かったところ、さすがに人気スポットだけに大混雑で、外まで大行列です。入場者数ではルーブルに負けるものの、構造的にここが並ぶのは知っていたので(入り口が狭い!)、あきらめるしかありません。さて、どうするか? そこでひらめいたのがオランジュリーに向かうことでした。小さな美術館なのでそんなに混まない可能性があるうえ、オルセーからもルーブルからも徒歩圏内です。
案の定、オランジェリーは落ち着いており、入り口でX線検査はあったものの、5分ほどで中に入れました。入場券売り場もあまり人はいなく、すぐにミュージアムパスが買えたのです。目的を達した僕は、4日間、美術館・博物館三昧。長くなるので、あとは関連する情報を箇条書きでまとめておきます。
・ルーブルはモナリザとかミロのビーナスとか見所満載ですが(一応、見ておいたほうがいい)、もう少し足を伸ばすなら、モナリザの手前の部屋にあるダ・ヴィンチの『聖アンナと聖母子』や(ラファエロもあります)、教科書にもあるダビッドの『ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠』、ドラグロワの『民衆を導く自由の女神』はちゃんと見ておいたほうが、わざわざ行った意味はあります。
・ただし、ルーブルでもっとも価値がある美術品(歴史的な遺品)は、モナリザと反対のウィングにあるハムラビ法典の石柱でしょう。あの、ハムラビ法典ですよ。4800年前の法律の原文がそのまま残っているのですから、絶対、見たほうがいい。しかも、ここに来る客のほとんどが勉強不足なのかあまり混むことなく、ガン見できます。目には目を(笑)。
・その他、ルーブルの穴場としては、モナリザの先の先の先、建物の端っこまで行って迷路のような階段を抜けると、わかりにくいところにアフリカ・アジア・オセアニア・南北アメリカのプリミティブな美術品のコーナーがあります。前述したケ・ブランリと、若干、重なるものの、ルーブルのセンスで集めただけに、好きな人であればかなり感動するはず(ケ・ブランリは民族学博物館なので美術品としてのフィルターはかかっていない)。ちなみに、近くに穴場の入り口があり、ルーブルの通はここから入場するのですが、いつも開いてるとは限らないんですよね。僕が以前、利用したときには、釣り銭がないとかいって大騒ぎ。メインのピラミッド下の入場口と違うあまりに牧歌的な状況にたじらいだほどです。
・あまり特別展のイメージのないオルセーで、たまたま、ピカソの青の時代の展示をしてました。これがすっごい内容で、「いいピカソ」が100点くらいあったと思う。さすがオルセー!
・オルセーの売店でアブサン用のレトロなグラスを売ってました。値段もまあまあ安かったので買っちゃった。帰国後はワインなどを楽しむお気に入りになっています。
・国立近代美術館(ポンピドゥーセンター)は、ルーブル、オルセーから続く美術史の今を展示する場所として位置(義務?)づけられているのに、今回、訪れてみると、やる気が感じられなかったですね。コレクションしているいい作品は飾らず、つまらない最近の美術ばかり優先しており、半分以上は見る価値がありません。この感じであれば、次回は初めてパスするかも。
・がっかりして外に出たあと、あまり寒いのでグーグルマップでみつけた九州ラーメンの店(Hakata Choten Les Halles)に向かいました。こういうとこに抵抗なく入れるのは、僕がおとなになった証拠です(笑)。
・予定した美術館はすべて回れたので、最後の日は追加でパリ工芸博物館に行ったら(他にも装飾美術館にも行きました)、なんと、あのラヴォアジエ(近代化学の父です)の実験道具が展示してあって驚きました。科学史を知る者にとっては超感動ものです。
フランス旅行情報メモ4:パリではどのエリアに泊まればいいのか? ― 2019年01月30日 03:31
「旅行情報メモ」といいながら、今回は情報性の薄い、個人的な好みの話です。
僕がパリでよく泊まっていたのは、北駅近くのHotel de l'Europeでした。ここを選ぶ理由は立地のよさにあり、北駅はシャルル・ド・ゴール空港と鉄道で直結しているうえ(この線は治安が悪いと言われた時期もありましたが、今はまったく問題ありません)、東駅も徒歩圏内であるため、便利だったのです。周囲はいつも旅人で賑わっており、それに対応した「時間を気にしないで済む」商業圏が形成されているのも魅力でした。
フランスに限らずヨーロッパでは原則として週末にはほとんどの店舗が閉まってしまいます。レストランも例外ではなく、土日になると食事をするにもけっこう苦労しました。最近はそこまで厳格ではなくなり、無休の店も増えたものの、それでも昔の苦い記憶が残っていた僕は、どうしても北駅に吸い寄せられていったのです。
旅人が多いエリアだけに安宿も多い北駅周辺ですが、そんななかにあって、このホテルはちょっと特別でしたね。主人はフランス人なのに流ちょうな日本語を話せたので何かと頼りになるし、公式サイトにも日本語のページがあるので安心して予約ができます。それでいて宿泊料もそんなに高くなく、朝食も付いていたから、満足度は高かったのです。あと、道路の向かいに小規模ながら気持ちのいい市場があり、到着した夜はそこのバーで飲むのが楽しみでした(今回も一泊目だけここにしたのは、そこに行きたかったからです)。
https://europe-paris-hotel.com/ja/
ところが、その後、パリの宿代がどんどん高くなり、このホテルも値上げが続きます(いつの間にか朝食も別料金になっていました)。時代を考えれば仕方がないとはいえ、結果的に他のエリアとの差がなくなってきたは事実です。加えて、北駅周辺の治安が徐々に悪くなってきたことも「宿泊エリアの見直し」に拍車を掛けました。
そんな経緯から、今回の渡仏では新しい宿泊場所を考えていたのです。さすがにカルチェ・ラタンあたりは人気が高すぎて無理だとしても(40年前に2000円くらいで泊まれたホテルが改修して10倍近い値段になっている)、モンパルナスであれば1万円前後でそれなりに快適なホテルがありそう。そして選んだのが、「ミラボー橋の下をセーヌが流れる」と書いた詩人の名前を冠したホテルでした。もちろん決め手は名前ではなく、何年もここを常宿にしているという日本のビジネスマンの書き込みです。
実際に泊まってみると、このエリアは便利なだけでなく、かなり楽しい。まず利便性のほうから。
・パリの上野駅ともいえるモンパルナス駅から徒歩10分以内にリーズナブルなホテルが多い(しかも今回泊まったホテルから徒歩1分のところに別のメトロ駅もあり、超便利)。
・地元の人を相手にしたレストランや商店が多く、生活がしやすい。
・シャルル・ド・ゴール空港へもバス1本で行ける(北駅ともメトロで直結)。
次に楽しい理由。
・パリの中では比較的、治安がいい。
・ブルターニュのガレットなどローカルフードの店も多い。
・大きなスーパーもデパートも徒歩圏内(fnacもユニクロもある)。
・サルトルやピカソ、そして藤田嗣治などの文化人が通った店が多く残り、パリの黄金時代を体感できる。
・カルチェ・ラタンへも歩いていけるし、パリ中心部ならどこでもメトロで30分以内。
そんなわけで、今後、ホテル代を下げる必然性が生まれない限り、このエリアに宿泊し続けたいと思っています(パリ中心部からメトロなどで30分以上かかるエリアであれば7000円前後で泊まれるホテルはありますが、そこで節約する意味が感じられないので)。
僕がパリでよく泊まっていたのは、北駅近くのHotel de l'Europeでした。ここを選ぶ理由は立地のよさにあり、北駅はシャルル・ド・ゴール空港と鉄道で直結しているうえ(この線は治安が悪いと言われた時期もありましたが、今はまったく問題ありません)、東駅も徒歩圏内であるため、便利だったのです。周囲はいつも旅人で賑わっており、それに対応した「時間を気にしないで済む」商業圏が形成されているのも魅力でした。
フランスに限らずヨーロッパでは原則として週末にはほとんどの店舗が閉まってしまいます。レストランも例外ではなく、土日になると食事をするにもけっこう苦労しました。最近はそこまで厳格ではなくなり、無休の店も増えたものの、それでも昔の苦い記憶が残っていた僕は、どうしても北駅に吸い寄せられていったのです。
旅人が多いエリアだけに安宿も多い北駅周辺ですが、そんななかにあって、このホテルはちょっと特別でしたね。主人はフランス人なのに流ちょうな日本語を話せたので何かと頼りになるし、公式サイトにも日本語のページがあるので安心して予約ができます。それでいて宿泊料もそんなに高くなく、朝食も付いていたから、満足度は高かったのです。あと、道路の向かいに小規模ながら気持ちのいい市場があり、到着した夜はそこのバーで飲むのが楽しみでした(今回も一泊目だけここにしたのは、そこに行きたかったからです)。
https://europe-paris-hotel.com/ja/
ところが、その後、パリの宿代がどんどん高くなり、このホテルも値上げが続きます(いつの間にか朝食も別料金になっていました)。時代を考えれば仕方がないとはいえ、結果的に他のエリアとの差がなくなってきたは事実です。加えて、北駅周辺の治安が徐々に悪くなってきたことも「宿泊エリアの見直し」に拍車を掛けました。
そんな経緯から、今回の渡仏では新しい宿泊場所を考えていたのです。さすがにカルチェ・ラタンあたりは人気が高すぎて無理だとしても(40年前に2000円くらいで泊まれたホテルが改修して10倍近い値段になっている)、モンパルナスであれば1万円前後でそれなりに快適なホテルがありそう。そして選んだのが、「ミラボー橋の下をセーヌが流れる」と書いた詩人の名前を冠したホテルでした。もちろん決め手は名前ではなく、何年もここを常宿にしているという日本のビジネスマンの書き込みです。
実際に泊まってみると、このエリアは便利なだけでなく、かなり楽しい。まず利便性のほうから。
・パリの上野駅ともいえるモンパルナス駅から徒歩10分以内にリーズナブルなホテルが多い(しかも今回泊まったホテルから徒歩1分のところに別のメトロ駅もあり、超便利)。
・地元の人を相手にしたレストランや商店が多く、生活がしやすい。
・シャルル・ド・ゴール空港へもバス1本で行ける(北駅ともメトロで直結)。
次に楽しい理由。
・パリの中では比較的、治安がいい。
・ブルターニュのガレットなどローカルフードの店も多い。
・大きなスーパーもデパートも徒歩圏内(fnacもユニクロもある)。
・サルトルやピカソ、そして藤田嗣治などの文化人が通った店が多く残り、パリの黄金時代を体感できる。
・カルチェ・ラタンへも歩いていけるし、パリ中心部ならどこでもメトロで30分以内。
そんなわけで、今後、ホテル代を下げる必然性が生まれない限り、このエリアに宿泊し続けたいと思っています(パリ中心部からメトロなどで30分以上かかるエリアであれば7000円前後で泊まれるホテルはありますが、そこで節約する意味が感じられないので)。
フランス旅行情報メモ3:ナントを楽しむための情報いろいろ ― 2019年01月27日 05:18
ここからは、まさにメモっぽい箇条書きで。
トラム1号線(緑)Mediatheque駅の南にある駐車場で、土曜日の朝8時から昼過ぎくらいまで、かなり大規模な市場が開かれます。観光客は眼中になく、純粋に地元民向けであるため価格は安いし(ちょっとおしゃれなハンチング帽が5ユーロだった)、売っているものも生活用品中心です。アラブ系住民の店が目立ったのも、今のフランスをリアルに表してますね。食べもの店も充実しており、この国で暮らすさまざまな民族の味を楽しめるはずです。できれば、もう少し遅い時間までやっていてほしい。
前項で紹介したショッピングセンター(Centre Commercial Beaulieu)は市内中心部ではもっとも大きいスーパーが併設されており、生活用品や食品、バラまき用のおみやげを買うには便利です。というか、その手の需要に応えてくれる店はここだけだと思う。割と貴重な存在です。
滞在中はいろいろなレストランで食事をしましたが、味はともかく、おもしろかったのはムール貝の専門店Aux Moules du Bouffayかなあ。基本メニューは茹でたムール貝にソースをかけたもので、僕はロックフォール(ブルーチーズ)味を選びました(どれでもまあまあ美味しいと思う)。洗面器いっぱいほどの量が出されるので驚くものの、殻込みなので完食できるはず(注文はこれだけで大丈夫)。せっかくなので地元名産の白ワイン「ミュスカデ」と一緒にどうぞ。
フランス国内でもナントにしかないものとしては、三階建てのパサージュ(アーケード)Passage Pommerayeが挙げられます。店舗巡りの楽しさに加え(個性的な店が多い)、斜面を活かした構造の妙や、内部を飾るさまざまな像など、見ているだけで楽しく、欧米では大人気の観光スポットです。ちなみにここも含め、ナントでは思った以上に日本人を見かけません。中国人観光客はそこそこいたものの、せっかくいいレストランに行ってもワインを頼もうとしないなど、ちゃんとフランスを味わおうとしているようには感じらませんでした。異文化への接触方法が、まだまだ未熟なんでしょうね。
トラム1号線(緑)Mediatheque駅の南にある駐車場で、土曜日の朝8時から昼過ぎくらいまで、かなり大規模な市場が開かれます。観光客は眼中になく、純粋に地元民向けであるため価格は安いし(ちょっとおしゃれなハンチング帽が5ユーロだった)、売っているものも生活用品中心です。アラブ系住民の店が目立ったのも、今のフランスをリアルに表してますね。食べもの店も充実しており、この国で暮らすさまざまな民族の味を楽しめるはずです。できれば、もう少し遅い時間までやっていてほしい。
前項で紹介したショッピングセンター(Centre Commercial Beaulieu)は市内中心部ではもっとも大きいスーパーが併設されており、生活用品や食品、バラまき用のおみやげを買うには便利です。というか、その手の需要に応えてくれる店はここだけだと思う。割と貴重な存在です。
滞在中はいろいろなレストランで食事をしましたが、味はともかく、おもしろかったのはムール貝の専門店Aux Moules du Bouffayかなあ。基本メニューは茹でたムール貝にソースをかけたもので、僕はロックフォール(ブルーチーズ)味を選びました(どれでもまあまあ美味しいと思う)。洗面器いっぱいほどの量が出されるので驚くものの、殻込みなので完食できるはず(注文はこれだけで大丈夫)。せっかくなので地元名産の白ワイン「ミュスカデ」と一緒にどうぞ。
フランス国内でもナントにしかないものとしては、三階建てのパサージュ(アーケード)Passage Pommerayeが挙げられます。店舗巡りの楽しさに加え(個性的な店が多い)、斜面を活かした構造の妙や、内部を飾るさまざまな像など、見ているだけで楽しく、欧米では大人気の観光スポットです。ちなみにここも含め、ナントでは思った以上に日本人を見かけません。中国人観光客はそこそこいたものの、せっかくいいレストランに行ってもワインを頼もうとしないなど、ちゃんとフランスを味わおうとしているようには感じらませんでした。異文化への接触方法が、まだまだ未熟なんでしょうね。
フランス旅行情報メモ2:「ナント・パス」は買ったほうがいいのか? ― 2019年01月27日 03:55
ナントに行った旅行者を悩ませる問題が「ナント・パス(Pass Nantes)」を買うべきかどうかだと思います。トラム(路面電車)やバスなどの市内交通が乗り放題であるうえ、さまざまな施設の入場料を含むこの手の観光パスは、通常、かなりお得なので、滞在日数に合わせた商品があれば購入したほうがいいのでしょうが、ナントに関してはけっこう微妙です。なぜなら、そんなに大きな町ではないので移動にあまりお金がかからないのと(ものすごくがんばれば徒歩だけでもなんとかなる)、パスで入れる場所が、年々、少なくなっているからです。その割には、価格はそんなに安くはありません。
24時間:25ユーロ/48時間:35ユーロ/72時間:45ユーロ
しかし、綿密に検討した結果、やはりパスは「買い」だという結論に達しました。というのは、観光の目玉である「ブルターニュ公爵城(の博物館)+ナント美術館」だけで18ユーロし、これにジュール・ベルヌ博物館(僕が行ったときは工事中で閉館だった)やナント島のマシンを加えれば30ユーロ近くかかります。したがって、72時間パスだとしても、あと15ユーロで移動がタダになるのですから(しかもチケットを買う手間も省かれる)、やはり便利です。ちなみに、狭い街とはいえ、自由にトラムに乗れるなら、1日に6回以上は利用します。それだけで10ユーロ以上はするはずです。
なお、ナント・パスは城の西側(入り口の近く)にある観光協会(Nantes.tourisme)でしか買えないと思うので、着いたら、まず、ここに足を運びましょう。スタッフは親切なので、情報収集には欠かせません。
ナント美術館はけっこう規模が大きく、展示作品もバラエティに富んでいるので、美術が好きな人であれば楽しめます。個人的にはクールベの「小麦をふるいにかける女(Les Cribleuses de blé)」がよかった。彼の作品で初めて感心しましたね。あと、キース・ヴァン・ドンゲンが1枚あったのもうれしかった(けっこう好き)。
https://fr.wikipedia.org/wiki/Mus%C3%A9e_d%27Arts_de_Nantes
さて、ここからはトラムの話です。ナントは、一度、廃止した路面電車を復活させたことで街の活性化に成功し、その成果を知った他のヨーロッパの都市でもトラム見直し論が巻き起こったという歴史的な都市です。なので僕も積極的に利用したのですが、車内で路線図を目にしたとき、「あれ?」と疑問を感じました。上の図をクリックしていただけるとわかりますが、左がガイドブックやネットなどで確認できる正式なもので緑・青・赤の3路線なのに対し、車内のものではもう1路線、黄色が加わっているのです。しかし、緑に乗りながら観察してみても、そこに線路はないので、謎。
そこで乗換駅で降り、黄線のホームらしきところに向かったところ、真相がわかりました。正式なトラムではなく、バスをトラム風に運用していたのです。ご丁寧なことにトラムと同じ2両編成であるうえ、多くの区間で専用線を走り、プラットホームも設けられていました。つまり、利用するうえではトラムとまったく変わりません。黄線の沿線には大きなショッピングセンターもあるので(真ん中の島の南側)、乗る価値は十分にあります。ただし、実態はバスであるメリットも活かし、黄線の一部を走りながら途中で他の道路に向かう市バスも併用されているので、乗るときは「トラム風なのか、ただのバスなのか?」をちゃんと見極めないと知らないところに運ばれてしまいます。
ここで言いたいのは、町を活性化していくうえでトラムはかなり有効だということ。そして、完全なるトラムが建設できなくても代替手段はあるので、もっと柔軟に考えるべきだということです。とにかく、ナントの市内交通システムは多くの都市にとって参考にしたい点がたくさんあるので、関係者は、ぜひ、視察してください。
https://en.wikipedia.org/wiki/Nantes_tramway
24時間:25ユーロ/48時間:35ユーロ/72時間:45ユーロ
しかし、綿密に検討した結果、やはりパスは「買い」だという結論に達しました。というのは、観光の目玉である「ブルターニュ公爵城(の博物館)+ナント美術館」だけで18ユーロし、これにジュール・ベルヌ博物館(僕が行ったときは工事中で閉館だった)やナント島のマシンを加えれば30ユーロ近くかかります。したがって、72時間パスだとしても、あと15ユーロで移動がタダになるのですから(しかもチケットを買う手間も省かれる)、やはり便利です。ちなみに、狭い街とはいえ、自由にトラムに乗れるなら、1日に6回以上は利用します。それだけで10ユーロ以上はするはずです。
なお、ナント・パスは城の西側(入り口の近く)にある観光協会(Nantes.tourisme)でしか買えないと思うので、着いたら、まず、ここに足を運びましょう。スタッフは親切なので、情報収集には欠かせません。
ナント美術館はけっこう規模が大きく、展示作品もバラエティに富んでいるので、美術が好きな人であれば楽しめます。個人的にはクールベの「小麦をふるいにかける女(Les Cribleuses de blé)」がよかった。彼の作品で初めて感心しましたね。あと、キース・ヴァン・ドンゲンが1枚あったのもうれしかった(けっこう好き)。
https://fr.wikipedia.org/wiki/Mus%C3%A9e_d%27Arts_de_Nantes
さて、ここからはトラムの話です。ナントは、一度、廃止した路面電車を復活させたことで街の活性化に成功し、その成果を知った他のヨーロッパの都市でもトラム見直し論が巻き起こったという歴史的な都市です。なので僕も積極的に利用したのですが、車内で路線図を目にしたとき、「あれ?」と疑問を感じました。上の図をクリックしていただけるとわかりますが、左がガイドブックやネットなどで確認できる正式なもので緑・青・赤の3路線なのに対し、車内のものではもう1路線、黄色が加わっているのです。しかし、緑に乗りながら観察してみても、そこに線路はないので、謎。
そこで乗換駅で降り、黄線のホームらしきところに向かったところ、真相がわかりました。正式なトラムではなく、バスをトラム風に運用していたのです。ご丁寧なことにトラムと同じ2両編成であるうえ、多くの区間で専用線を走り、プラットホームも設けられていました。つまり、利用するうえではトラムとまったく変わりません。黄線の沿線には大きなショッピングセンターもあるので(真ん中の島の南側)、乗る価値は十分にあります。ただし、実態はバスであるメリットも活かし、黄線の一部を走りながら途中で他の道路に向かう市バスも併用されているので、乗るときは「トラム風なのか、ただのバスなのか?」をちゃんと見極めないと知らないところに運ばれてしまいます。
ここで言いたいのは、町を活性化していくうえでトラムはかなり有効だということ。そして、完全なるトラムが建設できなくても代替手段はあるので、もっと柔軟に考えるべきだということです。とにかく、ナントの市内交通システムは多くの都市にとって参考にしたい点がたくさんあるので、関係者は、ぜひ、視察してください。
https://en.wikipedia.org/wiki/Nantes_tramway
フランス旅行情報メモ1:10年経つといろいろ変わる? ― 2019年01月23日 21:05
年末にフランスに行ってきました。大学生のころから数えると6回目の渡航ですが、前回が2008年だったので、もう10年以上経っています。そこで、この間の変化なども含め、感じたことをいろいろまとめていきます。あくまで私見なので、ご了承ください。
今回は、パリに加えてロワール川の下流に位置するナントにも行ってきました。フランスで6番目に大きい町で、パリからだと西に400kmほどの距離。モンパルナス駅発のTGVで約2時間と、「プラス1都市」としてちょうどいいですね。
ナントを選んだのは、ボルドー、ブルゴーニュに続くワインの産地であるロワール流域にあるので、「冬の大西洋の魚介類に合わせて飲みたいなあ」といった程度のあいまいなもの。あと、最近、芸術の街としても有名になってきたので、その様子も見たいと思いました。
そんなこんなでパリ行きの航空券を探したところ、エールフランスの直行便が13万円ほどで出ていたので迷わず購入。エアフラはエコノミーでもシャンパンが飲めるからです(笑)。割とサービスもいいしね。
クリスマスシーズンはフランス人も帰郷したりして交通機関が混むという話があったので、パリ・ナント間の鉄道チケットも抑えておきました。最初は国鉄(SNFC)のサイトで申し込もうとしましたが、途中で入力できなくなるところがあり(何か条件が合わないらしいが英語なのでよくわからない)、レイルヨーロッパにチェンジ。ここは日本人向けの代理店なのでスムーズに買えます。しかも、サイト上だけで申し込みを行えば、手数料もあまりかかりません(安心料だと思えばかなり安い)。
https://www.raileurope-japan.com/
ホテルはいつも通りエクスペディアで、1泊目のパリは何度か泊まっている北駅のHotel de l'Europe Gare du Nord、ナントはibis Styles Nantes Centre Gare、そして最後はパリのモンパルナスにあるHotel Apollinaireにしました。どれも駅近なのがポイントです。
以下に続く。
今回は、パリに加えてロワール川の下流に位置するナントにも行ってきました。フランスで6番目に大きい町で、パリからだと西に400kmほどの距離。モンパルナス駅発のTGVで約2時間と、「プラス1都市」としてちょうどいいですね。
ナントを選んだのは、ボルドー、ブルゴーニュに続くワインの産地であるロワール流域にあるので、「冬の大西洋の魚介類に合わせて飲みたいなあ」といった程度のあいまいなもの。あと、最近、芸術の街としても有名になってきたので、その様子も見たいと思いました。
そんなこんなでパリ行きの航空券を探したところ、エールフランスの直行便が13万円ほどで出ていたので迷わず購入。エアフラはエコノミーでもシャンパンが飲めるからです(笑)。割とサービスもいいしね。
クリスマスシーズンはフランス人も帰郷したりして交通機関が混むという話があったので、パリ・ナント間の鉄道チケットも抑えておきました。最初は国鉄(SNFC)のサイトで申し込もうとしましたが、途中で入力できなくなるところがあり(何か条件が合わないらしいが英語なのでよくわからない)、レイルヨーロッパにチェンジ。ここは日本人向けの代理店なのでスムーズに買えます。しかも、サイト上だけで申し込みを行えば、手数料もあまりかかりません(安心料だと思えばかなり安い)。
https://www.raileurope-japan.com/
ホテルはいつも通りエクスペディアで、1泊目のパリは何度か泊まっている北駅のHotel de l'Europe Gare du Nord、ナントはibis Styles Nantes Centre Gare、そして最後はパリのモンパルナスにあるHotel Apollinaireにしました。どれも駅近なのがポイントです。
以下に続く。
ベトナム、ハノイ旅行情報メモ4:観光の目玉がないのも味? ― 2018年10月25日 04:49
旧市街を中心に特有のわちゃわちゃ感のあるハノイは、そんな雰囲気を楽しみながら暮らしたり、ちょっとした散策をするには楽しい町です。一方で「観光地としての目玉は何か?」と問われると、ちょっと困りますね。正直、「すごかったなあ」というところはありませんでした。前回、紹介した以外に、一通り回った場所の感想を記します。あくまで一個人の印象なので、その点はご了承ください。
・ホアロー収容所跡
処刑用のギロチンもあり、勉強にはなるものの、元の施設のほんの一部しか残っていないので、迫力には欠けますね。細かい情報ですが、ここの売店は町中よりちょっとだけ安い気がするので、チェックしてみてください。
・オペラハウス
外から見ただけですが、ちゃんとした建築物です。フランスの植民地支配はイギリスに比べると雑だったという印象を受けがちですが、たとえば、アフリカのマリでニジェール川に建設したダムなど(マルカラにあるダムは農業用水の確保に大いに役立っている。竣工から70年以上経っているのに現役なのは立派!)、けっこうちゃんとしたものを造っています。次の橋もそうですね。
・ロンビエン橋
歴史を知っていればそれなりに感動します。ひとつだけ、たぶん誰も書いていない大発見を。橋は中央が鉄道で、その左右にバイク用の車道と仮設の歩道があります(ぎりぎり1人しか歩けず、しかも公的に許可されたものかどうかは不明)。そのバイク道路が、ベトナムでは逆の左側通行なんですよね。侵入経路の関係でそうなってしまうみたいなのですが、ちょっとおもしろい。
・ロンビエン駅
むしろこっちのほうがお勧めです。列車はあまり来ないのに常に数十人がそこにいるし、売店と小さな祠があり、全体に漂う「ぬるい」感覚がいいんですよね。旅行作家の下川裕治さんの著書でも何度か紹介されています。
※上の写真は駅からのロンビエン橋。線路は歪んでるし、なぜ、人が線路の上を歩いているのかは謎です(一応、歩道もあるのに)。
・セントジョセフ教会(ハノイ大教会)
ヨーロッパなら見過ごしそうだが、アジアでは貴重。それだけかなあ(笑)。近くにハノイではよく知られたスーパーマーケットがあり、ベトナム産のコシヒカリを大量に売っています(本物かどうかはわからないが、最近、ハノイではジャポニカ米が大人気)。なお、上階にあるお土産コーナーはそんなに安くないです。
・ベトナム軍事歴史博物館
いろいろな意味で訪れるべきなのはここくらいかなあ。あの時代の兵器が間近で見られるし、それを囲む無関心な現代ベトナム人の様子も時代を感じさせます(それが歴史なので、悪いとは決めつけられません)。
・ベトナム国立歴史博物館
考古学的な資料は、ちゃんと見ると勉強になります。特にチャンパ時代の出土品は他ではなかなか見られません。道路を隔てた別館には、ベトナムの植民地時代における抵抗運動や独立に関する展示があります。展示内容には細かいところで誤りも多いとの指摘がありますが、「流れ」を知るうえでは貴重な博物館ではないでしょうか。
・ハノイ美術博物館
建物はそれなりに歴史的価値はあり。いくつか興味深い作品はあるものの、ベトナムの美術史が明確にわかるわけではなく、微妙かなあ。でも、スタッフの一生懸命さは伝わってくるので、割とお勧めです。
・ハノイ警察博物館
入場料が無料のわりには充実した博物館です。「警察」という視点であるものの、ハノイの歴史がよくわかる。売店にもけっこうおもしろそうなものがありました。
・ドンスアン市場
ガイドブックには必ず載っているし、一度は訪れたほうがいいのでしょうが、収穫は少ないですねえ。厳しく言っちゃえば、「Tシャツ屋」の集合体です(笑)。ただし、市場の周囲には個性的な商店街が多いので(食材とかお菓子とかドライフルーツとか)、街歩きの拠点にはなります。
・ホアロー収容所跡
処刑用のギロチンもあり、勉強にはなるものの、元の施設のほんの一部しか残っていないので、迫力には欠けますね。細かい情報ですが、ここの売店は町中よりちょっとだけ安い気がするので、チェックしてみてください。
・オペラハウス
外から見ただけですが、ちゃんとした建築物です。フランスの植民地支配はイギリスに比べると雑だったという印象を受けがちですが、たとえば、アフリカのマリでニジェール川に建設したダムなど(マルカラにあるダムは農業用水の確保に大いに役立っている。竣工から70年以上経っているのに現役なのは立派!)、けっこうちゃんとしたものを造っています。次の橋もそうですね。
・ロンビエン橋
歴史を知っていればそれなりに感動します。ひとつだけ、たぶん誰も書いていない大発見を。橋は中央が鉄道で、その左右にバイク用の車道と仮設の歩道があります(ぎりぎり1人しか歩けず、しかも公的に許可されたものかどうかは不明)。そのバイク道路が、ベトナムでは逆の左側通行なんですよね。侵入経路の関係でそうなってしまうみたいなのですが、ちょっとおもしろい。
・ロンビエン駅
むしろこっちのほうがお勧めです。列車はあまり来ないのに常に数十人がそこにいるし、売店と小さな祠があり、全体に漂う「ぬるい」感覚がいいんですよね。旅行作家の下川裕治さんの著書でも何度か紹介されています。
※上の写真は駅からのロンビエン橋。線路は歪んでるし、なぜ、人が線路の上を歩いているのかは謎です(一応、歩道もあるのに)。
・セントジョセフ教会(ハノイ大教会)
ヨーロッパなら見過ごしそうだが、アジアでは貴重。それだけかなあ(笑)。近くにハノイではよく知られたスーパーマーケットがあり、ベトナム産のコシヒカリを大量に売っています(本物かどうかはわからないが、最近、ハノイではジャポニカ米が大人気)。なお、上階にあるお土産コーナーはそんなに安くないです。
・ベトナム軍事歴史博物館
いろいろな意味で訪れるべきなのはここくらいかなあ。あの時代の兵器が間近で見られるし、それを囲む無関心な現代ベトナム人の様子も時代を感じさせます(それが歴史なので、悪いとは決めつけられません)。
・ベトナム国立歴史博物館
考古学的な資料は、ちゃんと見ると勉強になります。特にチャンパ時代の出土品は他ではなかなか見られません。道路を隔てた別館には、ベトナムの植民地時代における抵抗運動や独立に関する展示があります。展示内容には細かいところで誤りも多いとの指摘がありますが、「流れ」を知るうえでは貴重な博物館ではないでしょうか。
・ハノイ美術博物館
建物はそれなりに歴史的価値はあり。いくつか興味深い作品はあるものの、ベトナムの美術史が明確にわかるわけではなく、微妙かなあ。でも、スタッフの一生懸命さは伝わってくるので、割とお勧めです。
・ハノイ警察博物館
入場料が無料のわりには充実した博物館です。「警察」という視点であるものの、ハノイの歴史がよくわかる。売店にもけっこうおもしろそうなものがありました。
・ドンスアン市場
ガイドブックには必ず載っているし、一度は訪れたほうがいいのでしょうが、収穫は少ないですねえ。厳しく言っちゃえば、「Tシャツ屋」の集合体です(笑)。ただし、市場の周囲には個性的な商店街が多いので(食材とかお菓子とかドライフルーツとか)、街歩きの拠点にはなります。
最近のコメント