ミャンマー旅行情報メモ4(おまけ):心残りのホラー映画2019年05月03日 04:58

ミャンマーのホラー映画
ヤンゴンの町をほっつき歩いていて、かなり気になったのがこの映画です。ポスターや看板がおどろおどろしくて興味深かったものの、字幕がなければ絶対にわからないし、映画館の雰囲気もあまりにローカルで、外国人観光客が気軽に入れるムードではありません。そんなわけでパスしてしまったのですが、おもしろそうなので、いつか日本で観られたらいいですね。

どんな映画か調べてみたところ、ほとんど情報はないものの、いくつか発見できたものだけを紹介します。うーん、わからん。

https://twitter.com/usan931
https://www.nna.jp/news/show/881087

軍事政権の時代にはホラー映画の制作や上映が禁止されていたという話で、一応の民主化によってようやく解禁され、その第一作がこれだという噂。そのせいなのか、とりあえず映画館にはいつも人が集まっています。

ミャンマー旅行情報メモ3:ヤンゴンの観光スポットいろいろ2019年05月03日 03:52

ガータッジーパゴダ
今回、ヤンゴンで訪れたところの一言メモです。

●シュエダゴン・パゴダ
ヤンゴンを象徴する大寺院で、東西南北の4箇所から入れるのですが、お勧めは西の出入口です。寺院はかなり高い丘の上にあり、東南北は階段またはエレベーターで上るしかないのですが、西にはエスカレーターがあるので、人の流れはいちばんスムーズです。また、入場するには靴も靴下も脱がなければいけないため、「素足でエスカレーターに乗る」といった貴重な体験ができます。ちなみに、すぐ北にアウンサン廟があり、1983年にここで北朝鮮工作員による爆弾テロ事件がありました。ヤンゴンでもっとも重要な聖地であるシュエダゴン・パゴダとの距離を考えたら、彼らのやったことがいかに失礼なものであったか、よくわかります。しかも、建国の父であるアウンサンの墓所を破壊しており、どうしてこんな雑な手口で「国際的な地位を有利にできる」と考えたのか、改めて疑問に思ってしまいました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BC%E3%83%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6

●国立博物館
限られた予算で運営しているわりには展示内容はかなり充実していて、ミャンマーの歴史から文化まで学べます。ただし、館内は撮影禁止なので、カメラは入り口付近のロッカーに預けなければなりません(鍵は受付でもらう)。展示室は5フロアもあり、訪れる人が少ないせいか、時間によっては周りに誰もいない状況になりがち。ひとりだとかなり怖いので(薄暗いところで古い民芸品に囲まれるとなおさら)、できれば複数で行きましょう。なお、がんばれば、シュエダゴン・パゴダまで徒歩で行けます(15分くらい)。

●チャウタッジーパゴダ&ガータッジーパゴダ
それぞれ特長ある仏像があり、しかも入場無料です。100メートルも離れていないので、まとめて回るといいでしょう。中心部からGrabタクシーで15分くらい。個人的にはガータッジーパゴダのほうが「美術的な味」があってよかった。

●ハッピーワールド
ヤンゴンで最大の遊園地だが、とにかく「ゆるい」感じが、ある意味、楽しめる。シュエダゴン・パゴダの南側にあるので、ちょっと一休みするにはよさそう。入場料はかかりません。

●ボージョー アウン サン マーケット
まあ、普通の市場かな。中心になっているのは服や布地、生活雑貨、おみやげ品などの店で、食品関係はそんなに多くないです。ささっと回ったら、道路をわたってジャンクションシティに行きましょう。ミャンマーではまだ少ない「ちゃんとしたショッピングセンター」です。

●ルビーマート
今回、宿泊したパノラマホテルのすぐ隣にあった地元の人向けのショッピングセンター。食品スーパーから雑貨フロア、上には小さいながらフードコートもあり、便利です。ミャンマー産の湯葉が異常に安く、B5サイズのもの5枚ほどで50円しませんでした。日本のものより分厚く、けっこう、おいしいです。

●ローカチャンタ・アーバヤ・ラバムニ大仏
空港の近くにある寺で、中心部から離れているせいか訪れる観光客は少ないが、意外と雰囲気はよく、白い翡翠で造られたという仏像も味がある(実際は大理石だと思う)。周囲ののどかな雰囲気も含めて穴場かもしれません。

●ヤンゴン エアポート ホテル
ヤンゴン滞在後にバンコクに移動する飛行機がちょっと早い便だったので(早朝ではないが、渋滞情報が大袈裟に伝えられていたので用心のため前泊)、空港近くのホテルに泊まったのですが、参考になるかもしれないので、一応、情報提供しておきます。
・宿泊費は朝食が付いて4000円程度。レベルは日本の安いビジネスホテルという感じで、まあ、我慢はできる。スタッフのサービスはいい。
・空港へはぎりぎり歩いていけるが、普通はタクシーを利用。10分かからず、料金は200円程度だったかなあ(あいまいだが、高くはない)。
・まわりに飲食店は少ないが(といっても30分ほど歩けばそこそこある)、すぐ北にあるフレンドシップなんとかという中華料理店がまあまあ使える。あと、ホテル屋上のレストランは飛行機を眺めながら飲んだり食べたりできるので、一泊過ごすにはぎりぎり大丈夫か。他にいいホテルがなければ、検討してみてください。部屋は狭いよ(笑)。
http://yangonairporthotels.com/yangon-airport-hotel/index.php

追悼、渡瀬恒彦さん、「神様のくれた赤ん坊」も忘れないで2017年03月19日 22:35

昨年末からずっと忙しく、このブログもほったらかしてました。すいません。

3月14日、俳優の渡瀬恒彦さんが亡くなった。評価の高い役者だっただけにニュースで大きくとりあげられたほか、追悼番組なども放送されているようだが、そこで「代表的な作品」として紹介される映画のなかにけっこう大切な1本が入っていなかったので、補足しておきたい。

「神様のくれた赤ん坊」は喜劇を得意とする前田陽一監督の1979年の作品だ。当時、人気急上昇中だった桃井かおりさんが主役だったうえ、この映画と「もう頬づえはつかない」の演技が評価されて第3回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞してしまったことから、渡瀬さんの存在はなんとなく忘れられたようになっている(ウィキペディアの「渡瀬恒彦」の項目でもなぜかリストアップされていない)。しかし、公開当時、桃井さん目当てで観に行った僕は、むしろ渡瀬さんの演技に魅了されてしまった。以降、彼の代表作のひとつだと思い続けている。

この作品で渡瀬さんが演じているのは、ちょっと軽い、遊び人風の男である。といってもけっしてチンピラではなく、なんていうか、要するによくいる「普通の若者」なのだ。それまでヤクザや犯罪者といった特殊な人物の役でしか観たことがなかっただけに、映画が始まってしばらくは、ものすごく違和感があったのを覚えている。

ところが、ストーリーが進むうちに、そんなありふれた男の中にある「強さ」が徐々に発揮され、それが進行上の鍵になっていく。そのせいか後半はどんどん感情移入していき、僕はすっかり渡瀬さんのファンになってしまった。そのころ、絶好調だった桃井かおりを完全に喰ってしまっていたのだから、本当に実力のある役者だったのだろう。

4年前、NHKのBSで放映しているのをみつけて久しぶりに観たのだが、25年経ったあとも渡瀬さんの演技は光っていて、なんか、ほっとしてしまった。最近、あまり話題にならない映画ではあるものの、渡瀬さんの魅力を知るうえではけっこう重要な作品だと思うので、気になる人はぜひご覧ください。

ジャングルジム火災事件、白熱電球だけの問題なのか?2016年11月08日 03:57

イベント展示物だった木製ジャングルジムの火災事件、被害にあわれたお子さんのご冥福を心からお祈りする。

当初は「予期できなかった事故」といったトーンの報道がなされたので、僕も「木製とはいえ、そんなに急激に燃えるわけではないから、いくつかの不幸が重なったのでは?」と軽く考えていたのだが、上の写真を見て驚いた。そして即座に「これはだめだろう」と確信する。

ニュースに出てくる事故直前の映像では子供たちがだいぶ遊んだせいか木くずが減ってきているが、製作してまもないと思われるこのシーンではたっぷり詰まっている。そしてこれを見ると、まるで「木の枠を燃やそうとする準備」をしているようだ。木くずは紙より燃えやすいので焚きつけとしては最適である。そんなものを満載したら、火が着いた場合、一瞬で燃え広がるのは当然だ。

どんな作品でも展示する自由はある。しかし、そこになんらかのリスクがあるなら、充分な対策をしておかなくてはならない。この場合でいえば上からシャワーを浴びせられるような散水装置を配置し、いざというときにはスプリンクラーのように燃え広がるのを遅らせるとか、そういった工夫だ。他にも充分な数の消火器と水バケツ、それにちゃんと対応できるスタッフによる監視は不可欠だったと思う。

報道では白熱電球を利用したことばかりに疑問が集中した。たしかにそれが直接の原因なのかもしれないが、ただ、照明を使わなかったとしてもこの作品には問題が残る。なぜなら、もし不審者が近づいてライターなどで放火したら同じ結果になるからだ。とにかく一瞬で燃え広がる構造物である以上、あらゆる事態を想定して対策をしておくのは設置者の義務である。

不思議なのは、この作品が建築学の関係者によって製作・設置されていたという点だ。彼らは当然、防火に関する技術や法規の知識を専門家としてもっているはずで、こんな構造であれば危険性が高いことは察知していなければならない。「後出し」だと思われるのを承知のうえで書くと、もし僕が事前にこの場にいれば「燃えやすそうだが対策は万全なのか?」と質問していたと思う(だって、どう考えても焚き火直前の風景にしか見えない)。それくらい危険な構造物であり、だからこそ白熱電球を近づけたなんてもってのほかなのだ。

製作・展示に関わったのは日本工業大学の生徒やスタッフだそうで、技術系なのに教授も含めてひとりもこの作品の火災リスクに気づかなかったとしたらプロ失格である(これは建築や設備の関係者ならみんな感じたと思う)。さらにいえば、このイベントには関係者以外の専門家もたくさん来場し、作品を見ているのに、なぜ誰もアドバイスしなかったのか?

最後に「後出し」ではない指摘をさせていただく。ジャングルジムのような遊具で視界を塞ぐ物体(今回は木くず)を付け加えること自体、かなり乱暴な冒険だ。前が見えにくい分、頭をぶつける危険性は著しく高まるのだから、このような作品を展示したければ一般の参加者に遊ばせるべきではない。

そもそも前衛を目指す芸術作品を判断力も未発達な幼い子供に自由に開放したという点において、この人たちは本質をわかっていない。前衛芸術とは今を徹底的に否定したところから始まるのだから、作品の出来がいいほど子供が安全に遊べるわけないのである。

もし、本当に自信のある作品を子供に使ってもらう場合には、常に監視を怠らない。少なくとも真っ当な美術館ではそうしているのであって(金沢21世紀美術館のスイミング・プール上階では落ちても大丈夫なように警備員が見張っている)、そんなことも知らなかったことが、「前衛」の作者として相当に恥ずかしいと思う。

人魚のミイラ?2016年06月20日 03:00

最近、地域の小さな博物館や美術館を精力的に回っている。意外といろいろな「発見」があっておもしろいものだ。
昨日は久しぶりに新宿歴史博物館に行ってきた。あまり大きくはないものの、戦前戦後の新宿駅周辺の賑わいの様子がそれなりにわかりやすく説明してあるので参考になる。それから、期間限定だと思うのだが、新宿区に縁のある画家佐伯祐三の妻、佐伯米子の絵が数点展示してあったのには興味を惹いた。けっして派手ではないものの(というか超地味)、フランスでも評価されたそうで味があり、悪い作品ではないと思う。このあたりを参考に。
http://chinchiko.blog.so-net.ne.jp/2010-03-27

あと、いつまであるのかわからないが、一部マニア垂涎の人魚のミイラが展示されている。個人的にはけっこう好きだ(笑)。
問題があるとすれば、ちょっと小さすぎるんだよなあ。「人魚」と主張するからには人間並みの大きさが必要で(それができなかったからコペンハーゲンの人魚姫像は世界三大がっかり※になってしまった)、そのためにはそれなりの原材料を入手しないと立派な都市伝説にはなれません。次を目指す人は、せひ、がんばってほしい。
http://www.city.shinjuku.lg.jp/whatsnew/pub/2009/0312-01.html

※世界三大がっかり
やたら有名なのに実際に現地まで足を運ぶと期待はずれだった名所のこと。この手のものによくあるように3つでは収まらない。一応、挙げておくと
 ・ブリュッセル(ベルギー)の小便小僧
 ・コペンハーゲン(デンマーク)の人魚姫
 ・シンガポールのマーライオン
 ・シドニー(オーストラリア)のオペラハウス
が古典的。他にローマ(イタリア)の真実の口やルーブルのモナリザを候補にする人もいるみたいだ。どれも「想像より小さい」がポイントのようで、シンガポール政府はそれに怒ったのか(未確認)、もっと大きなマーライオンをつくっちゃった。もともとは現物のうしろにある小さなやつなので、その大きさから往事を想像してほしい(笑)。
個人的には東京渋谷の「Bunkamura ザ・ミュージアム」なんかはかなりの、がっかり物件だと思う。いつも派手に宣伝するわりにはやたら狭いし、地下なので窓もなくって息がつまりそう。東急グループのような東京を代表する企業がフラッグシップとして運営する施設としては、かなり恥ずかしいと思うのは僕だけなのかなあ(あれでは、ただの倉庫だ!)。