「はれのひ」事件で書きたかったこと2018年02月13日 01:32

少し旧聞になってしまうが、振袖の販売・貸出・着付けなどのサービスを行う「はれのひ株式会社」が成人式直前に事業を停止し、その後、破産して、大問題になった。一生に一度の大切な日を奪われた被害者には心から同情するものの、ただ、冷静になって考えると、この会社のビジネスモデルはどう考えても最初から破綻しており、なぜ、そこまで信用してしまったのか、もう少し疑ってもよかったのではないかと思っている(と言いつつ、さすがに被害者の女性たちがかわいそうで、今日までこのブログを書けませんでした)。
考えてほしい。女性が振袖を着るのは、ほぼ成人式に限られる(他に正月とか卒業式とか謝恩会とかもなくはないものの、その比率は僅かだろう)。したがって、「はれのひ」は1年以上かけて客を募りながら、サービスに必要なリソースをたった1日に集中させなければならないことになる。もし、対象となる顧客が1000人いれば、着付師を含む要員が400人程度はいなければならないはずで(2人組で1日5人の着付けをすると仮定)、レンタルの場合、料金は10万円程度だったそうだから、10万円×1000人=1億円をスタッフ数400人で分ける計算になる。すると1人あたり年間25万円にしかならず、そんな金額で会社組織を運営するのは無理だろう(社員を何人雇えるのか?)。
実際には、この25万円の中には着物の仕入費や年間の運営費なども含まれるので、人経費はほんのわずかだ。つまり、どう考えてもスタッフを確保できないのである(フリーの着付師を集めるにしても予算不足)。不思議なのは、こんな杜撰なビジネスモデルなのに、この会社に「掛け」で着物を売った呉服問屋がいることだ。僕だったら現金払いでない限り、絶対に商品はわたさない。
成功するビジネスの基本は、短期間に集中してしまうサービスを、アイデアを駆使して長期化し、リソースの分散を図ることだと思う。このため、観光産業では休日の需要を平日にシフトするためにあらゆる知恵を絞っているというのに、「はれのひ」はもっとも非効率的なビジネスモデルでやっていこうとしていた。これはまさに「天に唾する行為」であり、そんなところに人生の大事なものを託してはいけないのである。

犯罪は成功しない、リンちゃん事件に思うこと2017年04月01日 02:58

千葉県で起きた小学生レェ・ティ・ニャット・リンちゃんの事件、本当に悲しく、胸が痛む。犯人の早期逮捕に期待し、いくつか気が付いたことを書きたい。

この犯人、被害者の私物を処分するために10km以上、走っているケースがあり、かなり異常だ。なぜなら、移動経路が長くなるほど監視カメラやNシステムにキャッチされる可能性は高くなるからで、そう考えると、わざわざ離れた場所に少しずつ捨てる目的がわからない。いずれにしろ、探せばさまざまな「記録」が発見されるはずだ。

今回のケースで重要だと思われるのは、犯人が立ち寄った先として河原などが含まれていることだろう。あまりクルマの出入りのない未舗装の場所に入っていたとしたら、警察はすでに車種を特定できるようなタイヤ痕を採取しているに違いないし、足跡も残っていたかもしれない。そう考えていくと、犯人はかなり追い詰められているような気がするだけに、今後の動きに注目していきたい。