マレーシア旅行情報メモ2:ジョホールバルに宿泊してシンガポール観光は可能か?2018年03月08日 02:05

シンガポールのホテル代がかなり高いことから、「マレーシアの南端の町ジョホールバル(JB)に宿泊して往復したほうが安くつくのではないか」といった旅行情報がちょこちょこ紹介されます。実際にどうなのか、検証してみました。

ジョホールバルのホテル代が安いのはたしかで、今回、僕が泊まったAmari Johor Bahruはエクスペディア経由で1泊7000円ほどでした。ここは最近、知られるようになったタイ資本の高級ホテルで、駅からもショッピングモールを通って5分ほどですから、今、JBに泊まるならベストだと思います。

シンガポールの中心地でこのクラスのホテルの泊まったら2万円程度はするので、相場は約3分の1。さらに、JBセントラル駅を出て左のほうに進むと庶民的な町になり、こちらなら3000円以下で泊まれるホテルもあります。シンガポールには安宿に分類される宿泊施設はほとんどないので、とにかく節約したいという人はこっちで探してみてください(治安はいわれるほど悪くないです)。

これで移動がスムーズであれば、JBに宿泊するという方法は、たしかに有効です。しかし、現実はやはりそんなに甘くはありませんでした。

ジョホールバルとシンガポールの中心部への主なルートとしては「バス」「タクシー」「鉄道+いろいろ」の3つがあります。もっとも一般的なのはバスで、詳しくはこのあたりを参考にしてください。

■マレーシアのジョホールバルからシンガポールにバスで行く方法
https://tabilife.jp/johor-bahru-singapore-bus-359/

逆方向のほうが報告は多いので、こちらも役に立つと思います。
http://asenavi.com/archives/10290
https://4travel.jp/travelogue/10852265
https://aoitrip.jp/johorbahru
http://video-curation.com/blog/2015/

今回、僕はバスで移動してみました。鉄道も考えたのですが、事前に予約をしておかないと乗れないうえ、シンガポールに入ったところが終着駅なので、そこからバスや地下鉄を乗り継がないと中心地に行けません。そんな面倒臭さから、このルートを通る人の9割以上はバスを利用しています。つまり、妥当な選択だったのですが、実際にはいくつか問題がありました。

JBに泊まってシンガポール観光をする場合、朝に「マレーシア→シンガポール」、夕方から夜にかけて「シンガポール→マレーシア」と移動することになりますが、これはシンガポールに通勤して出稼ぎするマレーシア人の行動と重なってしまい、大渋滞にぶつかります。バスの中もラッシュ状態ですが、両国を繋ぐコーズウェイ(橋ではなく埋め立てた通路)も混雑し、1kmほどしかないのに通過するだけで30分くらいかかりました。

ちなみに、このコーズウェイは原則として自動車と鉄道でしか渡れないはずなのですが、観察していると歩いている人もわずかながらいました。調べてみると、まったく不可能ではないようなので、いろいろ挑戦したい旅行者は試してみてください(ネット上に若干ノウハウが報告されています)。

ラッシュの時間を避けたとしても、このルートはまだまだ問題があります。マレーシア側のチェックはスムーズなのですが、シンガポール側がやけに厳しく、出入国とも1人あたり5分以上かかるのです。しかも、カウンターも3カ所程度しか開けてくれないので、30人来ただけで最後の人は50分以上かかることになります。このあたりの状況は、日々、変わるようで、ネット上のレポートを読むと、そんなに時間がかからなかったとの報告もあるのですが、基本的にシンガポール側はこのルートで出稼ぎに来るマレーシア人を管理下に置きたいと考えているので(一応、冨の流出だし)、「マレーシア側は緩く、シンガポール側は意地悪」という状況は変わらないと思います。

そんなこんなで、JBに泊まってシンガポールの中心街まで行く場合、往復とも移動時間は最短1時間半、混むときは2~3時間かかることになり、あまり実用的とはいえません(感覚としては、東京観光するのに山梨県の甲府あたりに泊まっているイメージでしょうか)。

唯一、可能性があるとしたら、JBセントラル駅とシンガポールの入り口であるウッドランズ駅を結ぶ鉄道のシャトル便を完全予約しておく方法でしょう。マレーシア鉄道公社のサイトでもできるので(http://www.ktmb.com.my/ktmb_ui/)、興味のある人は挑戦してみてください。ただし、長距離列車に比べると予約の条件などが厳しく設定されていて、期間などもかなり絞られ、条件に合わないと弾かれます。なので、いろいろ調べながら、がんばってクリアしてみてください(ちなみに、僕はできませんでした)。鉄道の席さえ確保しておけば、確実に1時間半以内にシンガポールの中心部まで往復できると思います。

というわけで、不満も多々ありますが、それでも、このルートはけっこうおもしろいので、一度、通ってみてはいかがでしょうか。数百円で国境を越えられ、なおかつ、国際関係を如実に感じられるのは貴重な経験です。

■補足情報■
URLを紹介した「マレーシアのジョホールバルからシンガポールにバスで行く方法」は非常にわかりやすいレポートなのですが、僕が混乱したのは、JBで出国手続きをしたあと、エスカレーターで下の階に降りたところでした。目的のバス(このときはQueensStreet行き)がみつからず、行き場を失ってしまったのです。

これも「マレーシアあるある」で、この国は交通網はけっこう発達しているのに、いざ利用すると表示がいいかげんでわかりにくい場面が多いのです。代表的なのがクアラルンプールのKLセントラル駅で、空港に行くKLIAエクスプレスは降り口と乗り口がかなり離れているにもかかわらず、普通に表示を見て進むと降り口のほうに誘導されてしまい(悪いことに日本語の表示もある)、乗れません。したがって、空港に向かう人は表示を信じず、駅構内に入ったら、すぐ、左に進んでください。

話を戻します。JBで出国手続きを終えたあともそうで、立派なバスターミナルになっているにもかかわらず、どのバスがどこ行きなのか、表示がわかりにくく、かなり混乱しました。右往左往した結果、当初、予定していたCauseway Link社ではなく、たまたま、みつけたSJE社(星柔快車)のバスに乗り、目的を達したものの、なんで、こんなに面倒臭くしなければいけないのか不思議ですね(バス停の位置がけっこう流動的)。

それでも、そんな苦労も含めて貴重な体験なので、時間がある人は、ぜひ、どうぞ。

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