ラオス、ビエンチャン旅行情報メモ2:観光する場所はどのくらいあるのか?2020年03月04日 15:18

タート・ルアン
一国の首都に対して、このタイトルはかなり失礼であるとは思うものの、ビエンチャンに関しては正解です。そんななか、1週間滞在した実体験に基づく観光案内をしてみます。

■タート・ルアン(写真)
ビエンチャンを代表する仏教寺院です。ミャンマーのヤンゴンにおけるシュエダゴン・パゴダ的な位置づけなのかもしれませんが、規模は百分の一くらいかなあ。なので、観光した人の書き込みをみると「金ピカのバゴダがあるくらいで、本当に観るものがありません」と、けっこう辛辣です。でも、シンプルに金ピカなパゴタはビエンチャンではめずらしく、国の事情を考えたら、よくキープしていると感心しますね。単純に「きれい!」でいいと思う。それ以上を求めてはいけません(笑)。

■お寺巡り
ワット・シーサケット、ワット・ホーパケオ、ワット・シームアンあたりが定番。どこも雰囲気はあるのですが、多少、荒れていることもあり、歴史を感じにくいのが難点です。一応、成り立ちなどを予習しておいたほうが楽しめるかもしれません。


■パトゥーサイ
「ラオスの凱旋門」と紹介されることがありますが、この国が戦争で勝ったことはないので、そのあたりは微妙。ただ、歴史的建造物として評価した場合には、これが「かなりいい」んですよね。全体のデザインもまとまりがあるし、レリーフやさまざまな像もしっかり造られていて、美しい。個人的にはかなり気に入りました。また訪れたい!

■タートダム
町中にぽつんと残る小さな遺跡ですが、ビエンチャンでもっとも雰囲気があるように感じます。近くにあるスックヴィマーンレストランは、ちょっと高いが落ち着いて食事ができる、いい店です。

■コープ・ビジター・センター
ベトナム戦争の巻き添えを食ってアメリカから攻撃されたラオスの悲劇を伝える貴重な博物館。規模は小さいものの展示はちゃんとしており、欧米人の旅行者が多く訪れています。必見。

■タラートサオ ショッピングモール
ショッピングモールといっても、いわゆる市場風の商業施設です。それでもビエンチャンでは数少ない「滞在できる場所」であるため、結局、このあたりでうろうろするしかないんだよなあ。買いたいものは少ないのですが、中にいくつか銀行が入っているので両替には便利です。あと、南側の建物に貴重なフードコートがあり、「ラオスで食べられているもの」を一通り見ながら選べるのは楽しいです。

■ビエンチャン・センター・ラオ
タラートサオから300メートルほど南東にある新しいショッピングセンター。中国資本の香りがぷんぷんします(笑)。近代的ではあるものの、全体に活気はなく、割とすぐに飽きます。

■ホームアイディアール
ホテル街から近いデパート。スーパーマーケットとしては、一番、大きく、便利。

ラオス、ビエンチャン旅行情報メモ1:4月中旬のラオス正月に気をつけろ!2019年11月12日 02:31

ラオス正月の水かけ
ダイヤモンド社の『地球の歩き方』はカバーしているエリアの広さや情報量の多さにおいて群を抜いており、世界でも屈指の旅行ガイドブックだと思っています(ベストではなくてもベターなのはまちがいない)。

大学生だった約40年前、まだ評価の定まっていなかったこの本を持ってヨーロッパに行きました。そのころはアメリカ人著者による『ヨーロッパ1日10ドルの旅』が貧乏旅行者のバイブルとして有名だったのですが、2冊を見比べながら旅を続けたところ、結果は『歩き方』の圧勝! 以来、新しい国に行くときには必ず買っていますし、古い版も記録用に捨てずにいます。

そんな『歩き方』も完全ではないので、けっこう重要な情報をスルーしていることがあります。ラオス編における「正月」に関する記述はその一例でしょう。書かれている内容を整理するとこうなります。

・ラオスには3回正月があり、4月中旬のラオス正月(ピーマイ・ラーオ)がもっとも盛大。
・ピーマイ・ラーオ前後はみんな浮き足立ち、スケジュールどおりに物事が運ばなくなる恐れもある。
・ピーマイ・ラーオのあいだは家族や友人と連れだって寺院にお参りし、持参した花びらと香水入りの水を仏像にかける。
・ピーマイで忘れてはいけないのが「水かけ」。観光客もターゲットになる。一番暑い時期だけに、暑さを楽しむひとつの方法のようにもみえる。

ここから読み取れるのは、比較的、穏やかな正月の風景です。しかし、そんな甘いものではありません。

サイトの写真のページでも書いている通り、僕はたまたまラオス正月の前夜にビエンチャンに到着しました。『歩き方』は用意していたものの、注意喚起はしていなかったので、現地で日本人リピーターに教えてもらうまで気づかなかったのです。ちなみに、2019年のピーマイ・ラーオは4月15、16、17日でした。年によって数日ずれるそうなので、ラオスに行かれる方は必ずチェックしてください。

この3日間、ラオス国内がどうなるかというと、ビエンチャンについていえば、最初の2日間はほとんどの店が閉まります。つまり、買いものも食事も簡単にはできないのです。3日目からは少しずつ営業を始める店がありますが、まだ限定的であり、あまり期待しないほうがいいでしょう。通常営業に戻るのは翌日以降です。

問題の「水かけ」ですが、ピーマイ・ラーオの初日と2日目はかなり派手にやられます。特に外国人観光客は標的になりやすいので、濡れたら困るものは持ち歩かないでください。まじめな話、昼間のピークの時間は外出さえしたくなるほどです。

とにかく3日間はかなり不自由な生活を強いられるので、短い旅程を組んでいるならこの期間は避けてください。祭りを体験できるのは貴重だとしても、ラオスそのものを味わえないからです。1週間以上、滞在できるなら、この時期を加えるのはありです。水かけも覚悟していれば楽しいし、ふだん入場料を取るお寺も正月中はただで入れるので、散策はしやすくなります。

ピーマイ・ラーオの時期に旅行するのであれば、ホテルはベストウェスタン ヴィエンチャン一択だと思います。前の通りは、今、ビエンチャンでもっとも外国人観光客が多いところなので、正月中もほとんどの飲食店が営業しています(昔はナンプ広場周辺が人気でしたが、今は寂れているので避けたほうがいいです)。近くで開かれる夜市もやっているので、この時期、唯一、賑やかな場所でしょう。通りにある飲食店はだいたい行きましたが、競争が激しいエリアあけにどこも親切で、まあまあリーズナブルだと思いますね。ラオスの伝統料理を出す店からビアレストラン、石窯ピザ屋、カジュアルなフランス料理店など多様で、食べ歩きが楽しめます。