フランス旅行情報メモ4:パリではどのエリアに泊まればいいのか?2019年01月30日 03:31

宿泊したホテルから徒歩1分のメトロ駅
「旅行情報メモ」といいながら、今回は情報性の薄い、個人的な好みの話です。

僕がパリでよく泊まっていたのは、北駅近くのHotel de l'Europeでした。ここを選ぶ理由は立地のよさにあり、北駅はシャルル・ド・ゴール空港と鉄道で直結しているうえ(この線は治安が悪いと言われた時期もありましたが、今はまったく問題ありません)、東駅も徒歩圏内であるため、便利だったのです。周囲はいつも旅人で賑わっており、それに対応した「時間を気にしないで済む」商業圏が形成されているのも魅力でした。

フランスに限らずヨーロッパでは原則として週末にはほとんどの店舗が閉まってしまいます。レストランも例外ではなく、土日になると食事をするにもけっこう苦労しました。最近はそこまで厳格ではなくなり、無休の店も増えたものの、それでも昔の苦い記憶が残っていた僕は、どうしても北駅に吸い寄せられていったのです。

旅人が多いエリアだけに安宿も多い北駅周辺ですが、そんななかにあって、このホテルはちょっと特別でしたね。主人はフランス人なのに流ちょうな日本語を話せたので何かと頼りになるし、公式サイトにも日本語のページがあるので安心して予約ができます。それでいて宿泊料もそんなに高くなく、朝食も付いていたから、満足度は高かったのです。あと、道路の向かいに小規模ながら気持ちのいい市場があり、到着した夜はそこのバーで飲むのが楽しみでした(今回も一泊目だけここにしたのは、そこに行きたかったからです)。

https://europe-paris-hotel.com/ja/

ところが、その後、パリの宿代がどんどん高くなり、このホテルも値上げが続きます(いつの間にか朝食も別料金になっていました)。時代を考えれば仕方がないとはいえ、結果的に他のエリアとの差がなくなってきたは事実です。加えて、北駅周辺の治安が徐々に悪くなってきたことも「宿泊エリアの見直し」に拍車を掛けました。

そんな経緯から、今回の渡仏では新しい宿泊場所を考えていたのです。さすがにカルチェ・ラタンあたりは人気が高すぎて無理だとしても(40年前に2000円くらいで泊まれたホテルが改修して10倍近い値段になっている)、モンパルナスであれば1万円前後でそれなりに快適なホテルがありそう。そして選んだのが、「ミラボー橋の下をセーヌが流れる」と書いた詩人の名前を冠したホテルでした。もちろん決め手は名前ではなく、何年もここを常宿にしているという日本のビジネスマンの書き込みです。

実際に泊まってみると、このエリアは便利なだけでなく、かなり楽しい。まず利便性のほうから。

・パリの上野駅ともいえるモンパルナス駅から徒歩10分以内にリーズナブルなホテルが多い(しかも今回泊まったホテルから徒歩1分のところに別のメトロ駅もあり、超便利)。
・地元の人を相手にしたレストランや商店が多く、生活がしやすい。
・シャルル・ド・ゴール空港へもバス1本で行ける(北駅ともメトロで直結)。

次に楽しい理由。
・パリの中では比較的、治安がいい。
・ブルターニュのガレットなどローカルフードの店も多い。
・大きなスーパーもデパートも徒歩圏内(fnacもユニクロもある)。
・サルトルやピカソ、そして藤田嗣治などの文化人が通った店が多く残り、パリの黄金時代を体感できる。
・カルチェ・ラタンへも歩いていけるし、パリ中心部ならどこでもメトロで30分以内。

そんなわけで、今後、ホテル代を下げる必然性が生まれない限り、このエリアに宿泊し続けたいと思っています(パリ中心部からメトロなどで30分以上かかるエリアであれば7000円前後で泊まれるホテルはありますが、そこで節約する意味が感じられないので)。